Project/Area Number |
09266210
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村上 洋太 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (20260622)
|
Project Period (FY) |
1997
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | DNA複製 / 転写因子 / ポリオーマウイルス |
Research Abstract |
真核細胞において転写調節因子がDNA複製の制御に直接関与することを示す証拠が蓄積しつつある。我々はこのような転写調節因子によるDNA複製の制御機構を調べるためにエンハンサーに依存してDNA複製をおこなうポリオーマウイルス(Py)をモデル系として解析を行った。転写の促進機構とのアナロジーから複製の促進においても転写因子が何らかの複製開始タンパク質と相互作用していることが相像できる。実際、我々はPy試験管内複製系を用いてc-Junが複製のイニシエーターである大型T抗原と直接相互作用し、複製開始複合体形成を促進することを示している。 最近DNA複製や転写は、核マトリックスと呼ばれる繊維状の構造上に存在するそれぞれの過程に必要な因子が局在している特定の領域(ファクトリー)で起こることが示されている。しかし、その役割を示す直接的な証拠はまだ乏しい。我々は核マトリックスに局在する転写調節因子PEBP2aB1(AML1/CBFa2)がPyDNA複製を強く促進することを見いだし、PEBP2aB1の70アミノ酸からなる最小複製活性化ドメイン(RAD)を同定した。興味深いことにRADは核マトリックス局在活性をもっていた。PEBP2aB1,GAL4-RADの核マトリックスへの局在と複製の促進には強い相関があり、PEBP2aB1の複製促進活性には核マトリックスへの局在が必要であることを強く示唆している。一方、RADの変異体の解析及び競合実験から核マトリクスへの局在マトリクスへの局在だけでは複製の促進に十分でなく、RADが何からの複製開始タンパク質と相互作用することが必要であることがわかった。現在我々は、PEBP2aB1は核マトリックス上の複製ファクトリーに複製開始点をリクルートし、そこで複製タンパク質と相互作用することによって複製開始を促進すると考えている。以上の結果は核マトリックスへの局在がDNA複製制御において重要な役割を果たしていることを直接示すものである。
|