Project/Area Number |
09266218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
坂口 謙吾 東京理科大学, 理工学部・応用生物科学科, 教授 (60225787)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | ショウジョウバエ / DNAポリメラーゼδ / DNAポリメラーゼε / モノクローナル抗体 / mus308遺伝子 / pol Iホモローグ |
Research Abstract |
私達は、一昨年度以来、ショウジョウバエ胚からのDNAポリメラーゼδ及びε型の精製とそのモノクローナル抗体の作成を目的としてきた。昨年度に、既に両酵素の存在と精製法を報告したので、次に、ヒトの同酵素の塩基配列を利用して、そのcatalytic subunitの遺伝子クローニング、および部分合成ペプチドを用いたポリ及びモノクローナル抗体作成を開始した。現在までに、ショウジョウバエpol-εのcatalytic subunit(250kDa)の遺伝子のクローニングは、全長の約60%の配列を決定した。分かった部分の配列を比較した結果、ヒトのpol-εと約65%、酵母のpol-IIと約55%のホモロジーがあることがわかった。また、ショウジョウバエのpol-δに関しては、その遺伝子クローニングはLehmanらにより95年にすでに為されており、その結果を利用して部分配列を合成した。この二つの部分配列のPCR増幅プローブを用いて、ショウジョウバエの発生過程の各時期のノーザンブロット分析を行った。pol-δは発生初期の受精直後から4時間までの時期(卵割の非常に急速な時期)に大量に発現しており、その後急速に減少する。そして、12-16時間の時期(幼虫細胞の初期)に再び少し発現される。その後は成虫の雌のみに発現していた。これは卵巣に蓄積しているものと考えられる。pol-εの場合は現在調査中である。さらに、現在、DNAポリメラーゼδ及びεの部分配列を用いてGST-fusion peptidesを得て、その抗体もポリクローナル抗体は得たところであり、ウェスタンブロット実験に着手したところである。モノクローナル抗体の作成は現在進行中である。現在、pol-εの遺伝子の全配列の同定を急いでいる。 さらに、一昨年度のこれらの酵素精製過程で、もう1種の分子量がpol-εと良く似た異なるポリメラーゼ種をみいだしたので、本年度は、この酵素種の精製も並行して行ってきた。この分子種は、分子量は約230kDaで、一般的な諸性質はよく知られた5種のどのポリメラーゼ種とも異なっていた。この材料には関連酵素の突然変異株(mus205,209,308)が存在し、当研究室で保存しているが、同じ頃に、アメリカの1グループによって、mos308遺伝子がクローニングされたが、この配列から予想される酵素の性質とそっくりであった。彼らの結果によれば、本遺伝子は大腸菌のpol I遺伝子と約55%のホモロジーをもち、真核生物ホモローグである可能性を示した。現在私たちは、このグループと共同して、私たちの得たポリメラーゼ画分がその蛋白質としての実体であるかどうかを確認している最中である。現在までに、私たちは、このポリメラーゼ種の精製にほぼ成功しており、少なくともmus308の胚では、この酵素種が欠損しているようである。現在この酵素種の最初の論文を準備中である。
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