Project/Area Number |
09266220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
大和田 幸嗣 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (60029816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 泰 通信総合研究所, 関西先端研究センター, 室長
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 紡錘体 / Srcファミリー蛋白質 / チロシンキナーゼ / SH3ドメイン / Sam68 |
Research Abstract |
1.p38cDNAのクローニングと構造解析。単クローン抗体(C28)カラムを用い間期ラット細胞核よりp38を精製した。精製p38の8個のペプチドのアミノ酸配列からの情報をもとに,p38cDNAの全長をラット正常細胞cDNAライブラリーからクローニングすることに成功した。p38の全長cDNAのin vitro転写/翻訳系で作られた産物の分子量とin vivoの分子量とが一致した。ラットp38全長cDNAは325個のアミノ酸からなる分子量3万5千の蛋白質をコードし,N末端側にC28のエピト-ブ、チロシンキナーゼとLIMセリンキ-ナゼのそれぞれに特異的触媒部位との短い相補性部位、3箇所のプロリン残基に富んだ領域、hnRNPやSam68などのRNA結合蛋白質に最近見つかった新規の核移行シグナル(PPXXR)、まん中からC末端は機能不明の領域からなる。2つのプロリンリッチドメインにはcdc2とMAPKによるリン酸部位(PXS/TP).C末端にはチロシンリン酸化部位が存在する。DNAデータベース検索から、p38は機能未知の蛋白質でヒトから酵母までホモログが存在した。ホモログ間で最もよく保存されている領域が二箇所あり、前述の核移行シグナルを含む領域とまん中からC末端に少し入った領域である。 2.in vitro転写/翻訳産物を用いたp38の機能解析。(1)p38はチュブリンを高率良くチロシンリン酸化するキナーゼ活性を示した。(2)はp38はアフリカツメガエルのM期抽出液や精製cdc2によりリン酸化され、C28との反応性を消失した。このことはp38がcdc2でリン酸化により大きな構造変換したこと意味する。従って、p38がラット正常細胞のM期前期・中期にC28で検出されないことは、cdc2によるリン酸化による為と理解できる。実際、M期前期抽出液をカルシニューリンで処置するとp38が検出され、カルシニューリン特異的阻害剤で抑制された。cdc2が不活性化される後期にp38が検出されるにはカルシニューリンによる脱リン酸化が必要なことを示唆する。(3)p38はSrc蛋白質のSH3ドメインと結合することがウエスト・ウエスターン法により明らかとなった。現在、p38のSrc蛋白質との結合部位の同定、細胞内での会合、会合による双方のキナーゼ活性への影響などの検討を行っている。 3.Src蛋白質の紡錘体結合部位と結合蛋白質の同定。(1)紡錘体との結合性が最も強かったFynのGST融合蛋白質と単離紡錘体との結合実験から、紡錘体との結合にはSH3ドメインが必須だった。またc-Srcも同様だった。(2)Fyn-SH3が結合する紡錘体蛋白質として68K蛋白質をウエスト・ウエスターン法により検出した。68Kは活性型Src蛋白質とM期前期に結合したチロシンリン酸化されるRNA結合蛋白質Sam68とimmunodepletionにより同定した。紡錘体画分にあるSam68はチロシンリン酸化されていた。以上の結果より、活性型Src蛋白質はSam68と相互作用して紡錘体と結合し染色体分配に関与すつ可能性が示唆された。(Mol.Biol.Cell.submitted)
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