Project/Area Number |
09267202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
竹内 利行 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (00109977)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | furin / BNP / 心筋肥大 / α_1アンチトリプシン |
Research Abstract |
成長因子等の前駆体を活性型に転換する酵素furinは、神経内分泌細胞でプロホルモンを活性型に転換するPC2,PC3と同じ酵母Kex2ファミリーに属するセリンプロテアーゼである。我々はfurinが増殖期の膵β細胞で高発現していることを報告したが、更に肥大した心筋で高発現していることを見出した。ラットの左冠動脈下行枝を結紮して心筋梗塞を作成すると、ラットの血中脳型利尿ペプチド(BNP)は術後3日目と14日目以降に二峰性のピークをもつ上昇パターンを示した。BNPとfurinは、心房では3日目に両者共高発現し、14日目以降もそれに近い発現を示した。心室筋では3日目の上昇は軽微で、14日目以降に高発現を示し、心房、心室共BNPとfurinの発現パターンはよく一致した。BNPとfurinは共に梗塞部位に隣接する細胞群でよく染色されたので伸展刺激により発現が亢進すると予測された。そこで我々はラット心筋細胞の培養系でBNPとfurin発現を検討した。心筋細胞をシリコン膜上で培養し、伸展すると両者が高発現することが確認された。そこでfurinのペプチド阻害剤dec-RVKR-CMK及びfurinを阻害するように変異させたα_1アンチトリプシン(α_1-PDX)存在下で心筋細胞を培養するとBNP前駆体の活性型BNP-45への転換が妨げられた。更に伸展刺激を加えると阻害剤存在下では心筋肥大そのものが抑制された。BNPには心筋を肥大させる作用はないので、この事実はfurinがBNP以外の成長因子前駆体を活性型に転換している可能性を示唆した。その前駆体候補として我々は現在PTHrPの可能性を検証している。心筋肥大の機序を抑制する因子として現在アンギオテンシンII(AII)が注目され、AII転換酵素阻害剤カプトプリルが臨床で用いられているが、本研究はAII以外にも肥大誘発ペプチドの存在を示唆するもので、心筋肥大機序解明に大きく貢献すると考えている。
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