Project/Area Number |
09267205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大海 忍 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (20160046)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | タンパク質分解 / プロテアーゼ阻害剤 / カスパーゼ / エポキシコハク酸 / カルパイン / 抗体 / プロテオリシス / アポトーシス |
Research Abstract |
プロテアーゼの動態を細胞レベルで解析する方法としてプロテアーゼ阻害剤に対する抗体に着目した。細胞を阻害剤で処理して細胞レベルでの現象変化と対応させながらプロテアーゼの生理機能を推定することが多いため、本抗体は阻害剤の標的分子の同定や細胞内局在の決定に寄与すると考えたからである。阻害剤としては、酵素・阻害剤複合体の安定性を考慮して標的酵素に不可逆的に作用するエポキシコハク酸誘導体E64c(標的はシステインプロテアーゼ)とZ-VADフルオロメチルケトン(標的はカスパーゼ)を選んだ。システインプロテアーゼ(カルパイン)の活性中心のシステイン残基周辺領域をMultiple peptide synthesis法で化学合成し、システインのSH基にE64cを導入した。これをウサギに投与して抗体を得た。この抗体は、E64c処理したカルパイン大鎖をイムノブロットで染めたが、他のシステインプロテアーゼに取り込まれたE64cとも反応した。すなわち本抗体は、標的酵素の活性中心のペプチド部分よりもE64cを強く認識するため、システインプロテアーゼに広く使用できると考えられる。細胞に脂溶性の誘導体E64dをかけると膜を透過してE64cに変換されて細胞内酵素に作用し、細胞増殖が停止する。このとき複数のタンパク質がE64cで標識されることが判明した。Z-VADフルオロメチルケトンに対する抗体は、Z-Val-OHを用いてZ-Val-Ala-Asp-Cys-OHを合成しCysのSH基を介してキャリアタンパク質に結合させて免疫した。本抗体は、イムノブロットには適さなかったが、免疫沈降法で阻害剤で不活化したカスパーゼを結合した。現在、これらの抗体を既に確立した切断部位特異抗体と併せて、細胞レベルでのプロテアーゼ機能解析に活用している。
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