Project/Area Number |
09267242
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
白澤 卓二 財)東京都老人総合研究所, 神経生理・, 室長 (80226323)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | イソ体アスパラギン酸 / メチル転移酵素 / ノックアウトマウス / てんかん発作 / 神経変性 / 空間記憶学習 / 長期増強 / 蛋白質メチル化 |
Research Abstract |
イソ体アスパラギン酸を有する蛋白質の細胞内蓄積がアルツハイマー病などの神経変性疾患の病態で、どのような役割を果たしているのかを明らかにする目的でイソ体アスパラギン酸を修復すると考えられている酵素、イソ体アスパラギン酸メチル転移酵素(Protein L-isoaspartyl Methyltransferase;PIMT)を欠損したモデルマウス(PIMT欠損マウス)を標的遺伝子組換え法を用いて作成した。ホモマウスはメンデルの法則に従い生まれたが、生後4週から12週の間に100%死亡した。この死亡は、てんかん発作の出現頻度と相関し、抗けいれん剤であるデパケン投与により生存曲線が約4週間延長した。これらの結果より、イソ体アスパラギン酸化されたタンパク質がメチル化を受けないと、脳は正常に発生するものの、その機能を維持できずにマウスは最終的には生後12週までに死亡してしまうことを明らかとした。平成9年度はPIMT欠損マウスの行動・学習異常を検討した。Morrisの水迷路試験の結果、PIMT欠損マウスは空間記憶学習能が低下していることを明らかとした。更に、海馬スライスの電気生理学的実験から、CA3領域で特異的に長期増強(LTP)が誘発出来ないことを示した。生化学的所見と併せて、中枢神経の正常な神経活動の維持にイソ体アスパラギン酸化タンパク質のメチル化が必須であること、その酵素欠損が記憶・学習障害をもたらすことを明らかとした。
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