サル大脳皮質運動関連領野から大脳基底核への体部位局在投射
Project/Area Number |
09268102
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
南部 篤 (財)東京都神経科学総合研究所, 病態神経生理学研究部門, 副参事研究員 (80180553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳野 博信 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経細胞生物学研究部門, 主任研究員 (40212071)
稲瀬 正彦 通商産業省工業技術院, 電子技術総合研究所, 主任研究官
高田 昌彦 京都大学, 医学研究科, 講師 (00236233)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 大脳基底核 / 視床下核 / 運動前野 / 一次運動野 / 順行性二重標識法 |
Research Abstract |
大脳皮質、とくに運動関連領野は、線条体以外に視床下核にも直接的に投射線維を送るものと考えられており、大脳皮質-視床下核-淡蒼球内節/黒質網様部という神経回路(hyperdirect pathway)を解析することは、大脳基底核の機能を調べる上で重要である。このような観点から、昨年度は、補足運動野と一次運動野から視床下核への投射様式について検討した。大脳皮質運動関連領野には、この他にも運動前野、帯状皮質運動野、前補足運動野などが存在するので、本年度は運動前野から視床下核への投射について調べ、補足運動野と一次運動からの投射と比較した。実験にはニホンザルを用いた。皮質内微少刺激および単一ニューロン活動記録により、運動前野背側部、運動前野腹側部、一次運動野、補足運動野のうち、2つの領野の上肢領域を電気生理学的に同定し、個々のサルで、それぞれの領野に順行性軸索標識物質であるBDA(biotinylated dextran amine)とWGA-HRPを注入した(順行性二重標識法)。隣接切片を用いて、BDAあるいはWGA-HRPで順行性に標識された神経線維終末の視床下核における分布を比較検討した。 その結果、運動前野背側部、運動前野腹側部からの投射は、両者とも視床下核の内側半に分布する傾向があった。補足運動野からの投射領域も内側半に存在するので、これらを比較すると互いに重なる傾向にあるが、運動前野からの投射はやや腹側に終わる傾向があった。また一次運動野からの投射領域は、主に視床下核の外側半に存在し、運動前野からの投射とは殆ど重ならなかった。これらの結果より、視床下核は、主に一次運動野から投射を受ける外側部と、運動前野背側部、運動前野腹側部、補足運動野から投射を受ける内側部に、分かれていると考えられる。さらに、視床下核において、一次運動野と、それ以外の高次運動野からの情報は並列的に処理されていること、また高次運動野からの情報は何らかの統合を受けていることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)