Project/Area Number |
09268203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川島 隆太 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (90250828)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | ポジトロンCT / 局所脳血流量 / ヒト脳機能地図 / 立体視 / 奥行き知覚 / 頭頂間溝皮質 |
Research Abstract |
我々はさまざまな奥行き情報を統合して三次元的な形態や空間を認識していることが心理学的に証明されている。しかし、脳内でのこのような視覚情報処理機構に関してはほとんど解明されていない。そこで本研究では、ポジトロンCTを用いて、三次元的な視覚情報処理に関与して活動を示す巨視的な神経回路の特定を行った。正常右利き若年男子6名を対象とした。被験者はポジトロンCT撮像中に次の2つの形態の識別課題を行った。 1)三次元形態の識別課題(3D):被験者にコンピュータグラフィクスで作成した三次元図形(六角錐)を視覚刺激としてHMDを使って立体視させた。刺激は見た目は変わらないが凹凸の程度が違っていて、見本と同じ凹凸の刺激が提示された時に右手でボタンを押して合図をさせた。 2)面の傾き識別課題(3DS):被験者にコンピュータグラフィクスで作成した平面を視覚刺激としてHMDを使って立体視させた。被験者は面の三次元的な傾きに注目して、見本と同じ傾きの刺激が提示された時に右手でボタンを押して合図をさせた。それぞれのコントロール課題として、同じ視覚刺激セットをもちいて、見本刺激提示直前に提示される手掛かり刺激がでたときに右手でボタンを押して合図をさせた。3DS課題・3D課題ともに大脳右半球頭頂間溝皮質に有意な血流増加を認めた。左半球では有意な血流増加は認められなかった。 3DS課題で賦活された領域は、3D課題で賦活された領域よりも前方側に位置していた。本研究結果は、三次元構造認識のためのニューロン機構が頭頂間溝領域にあることを示した。さらに我々の最近の研究より、二次元の線分の角度の弁別を同様な遅延見本合わせ課題を行わせた場合でも、大脳右半球の頭頂間溝皮質に賦活が認められることが明らかにされており、右半球の視覚的な物体の立体的構造の情報処理における特異性の存在が示唆される。
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