情報の時間関係の符号化の脳内メカニズムのモデル化と計算論の構築
Project/Area Number |
09268208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
大森 隆司 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 助教授 (50143384)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 連想記憶 / 状態遷移 / 連続量 / PATON / 移動ロボット / 学習 |
Research Abstract |
脳における思考系の特長は、感覚信号を扱いながら一見して論理的な情報処理を行っていることである。それがゆえに我々はイメージ的な情報処理が可能となり、現在の工学的な手段では実現が困難な知能を実現していると考えられる。その情報処理の基本は情報の時間関係の符号化である。この問題に対して我々は、従来から提案してきた連続情報を離散化する能力を持つ記憶モデルPATONに、離散化された情報の時間関係を符号化する能力を付加することを試みた。 具体的には、対称結合によりパターン情報の安定記憶を保持するPATONに非対称の結合を持つ情報表現層を与え、その結合によるパターン間の連想動作を外部の別の情報により制御することで、離散状態間の時間方向の状態遷移を実現した。この動作は理論的には、今の状態-行動-次の状態といった状態遷移の機能であると解釈できる。この情報処理モデルの機能を確認するため、周囲に赤外光センサーをもって環境中を移動する小型ロボットのシミュレータで学習実験を行った。モデルはロボットからのセンサーの測定値を受け取り、センサー空間を分割する形で環境を自己組織的に離散化する。そして、離散化された環境の間の遷移を、自己の移動命令を離散化したもので制御する。結果として、ロボットは空間中のある離散化された位置から別の離散化された位置へ、離散化された行動によって遷移していく。これにより、感覚情報を用いた状態遷移が実現された。さらに、離散化された状態間の遷移によって自己の行動の予測が可能になり、行動の結果と現実の入力の比較により、状態の構成そのものの問題点を発見して状態そのものを変えていく機能を実現した。これにより、同等のセンサー入力しか持たない異なる場所を別々の場所として認識・符合することができるようになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)