脳磁図によるヒト視覚野レチノトピーの測定と運動視の情報処理ダイナミックスの解析
Project/Area Number |
09268229
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
高梨 芳彰 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (40171459)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 雅弘 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (80271162)
|
Project Period (FY) |
1997
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 三次元脳磁計 / 体性感覚誘発磁場 / 電源推定法 / 空間フィルタ |
Research Abstract |
生体磁気画像技術は脳局所の活動を優れた時間分解能で画像化できる有力な手段として期待されている。本来脳磁計は優れた時間及び空間分解能を有するが、これまでの解決法(単一ダイポールを仮定した最小二乗法)では測定された磁場に関与する最も大きな電流源のみを、ある時間に限定して求めるために、その周囲での電流の分布や時間経過がどのようになっているかを知ることは出来ない。そこで我々はRobinson & Roseによる提案された空間フィルタの技法を用いて、ヒトの視覚誘発電位を測定し、磁場から直接、大脳皮質の局所電流分布を求めうることを明らかにした。今回この技法をヒトの体性感覚誘発磁場(Somatosensory evoked magnetic field : SEF)の解析に適用し、従来の方法と比較検討した。左正中神経、左拇指、左小指にパルス幅1.0msの電気刺激を2000回加えて、右頭頂側頭部から脳磁場を記録した。データ解析は、刺激後200msの各成分で等磁場線図を作成し、単一ダイポールパターンを示す成分を求め、最小二乗法により電源推定を行なった。次に電源の存在する深さに空間フィルターの球面を仮定し、球面上に21×21のnode(node間距離:9°)を設定した。計測された磁場から線形加算により合計441のnode上の電流を求め、空間フィルタ面上にスーパーインポーズした。左正中神経刺激によるSEFでは、潜時21msecに最も早期の成分(N20)を認め、続いて、潜時47、81msに後期成分を認めた。拇指刺激では、潜時27msecにN20を認めたが、振幅は正中神経刺激に比べ明らかに低かった。さらに小指刺激では、N20成分はほとんど認めなかった。次にそれぞれの成分を空間フィルタにて解析したが、N20については従来の単一ダイポール法と同様に、最大電流は頭頂部、一次体性感覚野に位置し、その周囲に補足的な電流分布を認めた。さらに後期成分については、N20成分に比べ、電流は広い範囲に分布した。それぞれの電流の方向は、単一ダイポール法で推定された位置とほぼ同様であった。従って、三次元脳磁計と空間フィルタ法を組み合せることにより非侵襲的に一次体性感覚野上での電流の広がりを視覚化できることが示された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)