脳機能磁気共鳴画像法によるヒト脳の高次機能の解析と問題点の検討
Project/Area Number |
09268230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
成瀬 昭二 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (50106407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 忠蔵 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 教授 (80163541)
古谷 誠一 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (10271173)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | functional MRI / Echo Planar Imaging(EPI) / 高次脳機能 / 処理ソフトウェア / 相互相関処理 / 周波数解析 / 位相画像 / 補足運動野 |
Research Abstract |
fMRIの問題点の検討とその解決による精度高いfMRIの応用を目指して、信号処理ソフトウェアの開発と時系列データ処理に関する研究を行った。一般的のMRI装置にはfMRI処理ソフトウェアが備わっていない。そこで、まずパーソナルコンピュータ(Microsoft Windows 95)上で動くソフトウェアをC言語にて開発した。従来の差分処理・t検定処理に加えて、相互相関処理法やフーリエ変換による周波数処理の機能を実装した。これを用いて負荷と脳の反応との時間的関係を解析した。相互相関処理法では賦活部位に一致して高信号が見られ、r=0.5でノイズの除去と賦活部の描出が良好となった。刺激と反応との時間的ずれを示すラグを0から1周期分のスキャン数まで変化させて得た画像のうち、ラグを1としたとき賦活部位は最も高輝度に描出された。周波数分析では刺激の周期に一致する、0.01Hzの成分の振幅画像で賦活部位に高信号が見られた。一方、位相画像においては、0.01Hzで賦活部位に0.02〜0.275ラジアンの位相の遅れが存在する。これは刺激の変化に対する信号変化の遅れであり、約0.3秒〜4.2秒に相当する。周波数分析は、時間的な遅れを示す位相を画像化でき、相互相関処理よりも優れている。実例として、各種刺激に対する脳の各領域における信号強度変化パターンについて検討を行った。1.5T MRI装置でGRE-EPIにて測定を行った。賦活は手指対立運動、手掌スポンジ擦過刺激とし、4秒運動(刺激)、20秒安静を連続して5回繰り返した。手指対立運動、手掌スポンジ擦過刺激時とも補足運動野時に比較し、一次感覚運動野の信号強度はTask停止後緩やかに減衰していた。また、手掌スポンジ擦過刺激時の二次体性感覚野の信号強度は刺激と同側に比較し対側の方がTask停止後緩やかに減衰していた。fMRIにおける運動及び刺激に伴う信号強度変化は、領域により異なるパターンを示し、単一のパターンのみ対する検討では賦活を見落とす可能性があることが考えられた。本方法は異なる時間応答を示す領域を調べるのに有用であると思われた。その他、本処理法では光刺激による視覚野のfMRIでの口頭極から周囲への信号の広がりの解析や、補足運動野と一次運動野との信号上昇の時間的ずれの解析に有用である。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)