空間的注意が上丘局所神経回路の信号伝播様式と衝動性眼球運動に与える作用
Project/Area Number |
09268238
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
伊佐 正 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (20212805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 康彦 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (70290913)
相澤 寛 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (40222434)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 上丘 / 眼球運動 / 空間的注意 / アセチルコリン / スライス / パッチクランプ / ラット / サル |
Research Abstract |
眼球運動課題を訓練したニホンザル2頭の上丘中間層に1mMのニコチンを1mL注入すると、注入前は視覚誘導性サッケードの反応時間は140-150ミリ秒だったが、注入後、注入部位の符号するベクトルのサッケードの反応時間は大半が100ミリ秒以下のexpress saccadeとなり、中間層のニコチン受容体の活性化が実際にexpress saccadeの発現を促進することが明らかになった。また上丘中間層へアセチルコリン作動性線維を送る起源である脚橋被害蓋核ニューロンの視覚誘導性サッケード課題遂行中の活動をニホンザル1頭において記録した。これまでに記録された計28個のニューロンのうち、17個のニューロンは注視点の消灯後、ターゲットの点灯までの間にギャップを導入すると、ギャップ期間中に活動を増加させた。このギャップ効果は、視覚ターゲット現れる可能性のある点が8個という状況より、4個、2個、1個へと減るにつれて増大した。このことは、ギャップによって脚橋被蓋核ニューロンに誘発される活動の増加(buildupactivity)が、動物がどのくらい来るべきターゲットの位置を確からしく知っているか(certainty)inty)に依存していることが明らかになった。また、10個のニューロンはギャップ期間中に活動を減少させた。うち4個のニューロンにおいてはサッケードの開始に先行しても活動のポ-ズが見せれた。このことから、脚橋被蓋核にはギャップ同入後上丘ニューロンのバースト活動を促通するようなbuild up activityを送るニューロンと、上丘最吻側部にあってattention engagementに関連してサッケード運動の生成を抑制することが知られているfixation neuronの活動を駆動するようなニューロンも存在することが明らかになった。以上の結果から、注意のモードに依存して上丘ニューロンの活動を調節するような入力がアセチルコリン作動性ニューロンの起源である脚橋被蓋核から上丘へ送られていることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)