Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
以下に,今年度得られた新たな知見等の成果を示す. (1)シクロブタン型チミンダイマーまたは(6-4)光産物を特異的に認識する1本鎖抗体(TDM2scFv抗体または64M5scFv抗体)を大腸菌システムにより大量調製し,バイオセンサー(BICcore)を用いて,損傷塩基を含む合成オリゴヌクレオチドとの相互作用を速度論的に解析した.両scFv抗体とも,特異的な結合が観察され、結合速度定数kass,解離速度定数kdissならびに解離定数Kdが得られた.TDM2scFvおよび64M5scFv抗体の抗原アナログd8merに対するKd値は,それぞれ7.9±0.1×10^<-11>,1.0±0.1×10^<-10>となった.また,抗原アナログの鎖長を変化させて得られたkassおよびkdiss値から,scFv抗体はFab抗体同様の抗原結合特性を有していることが分かった.また,塩濃度変化の実験から,TDM2scFv抗体の抗原結合には静電相互作用が重要であり,疎水的相互作用が結合を安定化しているという結果が示唆された.このような解析,評価法は抗体分子の改変を進めていく上で有効であることが確認された. (2)TDM2scFv抗体のHCDR3へのランダム変異導入により,天然型TDM2scFv抗体と同程度の抗原結合活性を持つクローンがいくつか得られ,その中にわずかながら天然型scFvより強い活性を持つものがあった. (3)TDM2scFv抗体および64M5scFv抗体にSV40のVP2のNLSを含む42アミノ酸領域を融合させ,真核細胞の核への導入が可能なscFv抗体分子の作製を行っている.VP2のNLS領域の遺伝子合成は完了しており,現在,scFv抗体遺伝子発現ベクターの構築を行っている.
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