DNA修復遺伝子欠損マウスを用いた中枢ニューロン死分子機構の解析
Project/Area Number |
09269213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
畠中 寛 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (60208519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎戸 靖 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (90263326)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | アポトーシス / p53 / スライス培養 / 小脳 / DNA鎖切断 / c-Jun / TUNEL染色 / 神経変性疾患 |
Research Abstract |
脳神経系におけるニューロンのアポトーシスは、非分裂細胞にとって、その死が置き換えがきかないことも重要なものと考えられている。特に、疾患あるいは障害によって生じるアポトーシスは、脳神経系における機能に重大な影響を及ぼすものと考えられる。私達は分散培養した小脳顆粒細胞を用いてDNA鎖切断傷害で生じるアポトーシスに、がん抑制遺伝子p53が関わっていることを明らかにしてきた。今年度は脳神経系を構成している様々な細胞相互の影響がどのようにニューロン死に関わっているのか明らかにする目的で、よりin vivoに近い系である切片培養系を用い、さらに研究を進めた。生後12日目の野生型またはp53ノックアウトマウスの小脳を、正中線に平行に厚さ400μmにスライスし、多孔質膜上で1日間培養後、DNA鎖切断をもたらす薬剤ブレオマイシンを添加し、切片培養下のニューロンに与える影響を調べた。培養後凍結切片を作製し、ニッスルおよびTUNEL染色、さらに抗p53および抗c-Jun抗体での免疫組織化学染色を行った。その結果、野生型マウスの小脳を用いた培養切片組織ではブレオマイシン添加により、経時的なTUNEL陽性細胞の増加を観察した。同時に、p53およびc-Jun陽性細胞の増加がみられた。既に、我々は野生型マウス小脳顆粒細胞の分散培養系で、ブレオマイシンを加えたときにc-Junの発現上昇がみられることをウエスタンブロティングで明らかにしている。この発現上昇はp53ノックアウトマウスからの顆粒細胞では見られなかった。切片培養下でも野生型マウスの小脳切片組織上の内顆粒層では、ブレオマイシン添加により、p53およびc-Jun陽性細胞の増加がみられた。分散培養系と同様切片培養系でも、p53ノックアウトマウスのものではc-Jun陽性細胞の増加は見られなかった。この結果は、c-Junの発現上昇が、分散培養系のみならず切片培養系でも確認されたことを示している。これらのことから、DNA切断に伴うアポトーシスはp53に依存しておこり、c-Junの発現の上昇が、何らかの形で関与していることを強く示唆している。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)