高度好熱菌蛋白質を用いたDNA修復・突然変異誘発機構の解析
Project/Area Number |
09269215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加藤 龍一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50240833)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | DNA修復 / ミスマッチ修復 / ヌクレオチド除去修復 / 塩基除去修復 / 組換え修復 / 光回復 / 高度好熱菌 / ドメイン構造 |
Research Abstract |
ミスマッチ修復を担うMutS,L,UvrD蛋白質のうち、MutSについては変性実験と限定分解実験から4つの構造ドメインからなると推定された。そして、これらのドメインのうち中央部に位置するドメインが2本鎖DNAと相互作用する領域であることを明らかにした。また、これら構造ドメインの情報を元にして断片化遺伝子を作成し、それらの大量発現と精製を行った。MutSとヌクレオチドとの相互作用の解析を行い、ATPに対するKmは0.1μMと非常に小さいこと、2価のカチオンが存在しなくてもヌクレオチドと相互作用できること、を明らかにした。親和標識試薬を用いてATP結合部位を決定したところ、Walker A-typeとは異なる部位のLys171がMgイオンの有無によるATPの結合様式に関わっていることが示された。 MutL,UvrDについては、遺伝子のクローニングと塩基配列の決定を行い、蛋白質の大量発現系の構築と精製法の確立を行った。 また、塩基除去修復に関わるMutMの遺伝子の単離と蛋白質の解析を行った。MutM蛋白質は、安定で高温まで活性があり、変性実験から2つの構造ドメインからなることが示唆された。 ヌクレオチド除去修復遺伝子のうち、UvrBは4つの構造ドメインからなり、それらドメインとATP加水分解活性に必要な部位・単鎖DNA結合に必要な部位・UvrAとの結合に必要な部位、等の関係を明らかにした。UvrAは高塩濃度では溶液中で粒状性の揃った2量体を形成することを動的溶液散乱法を用いて明らかにし、この条件下で結晶を得ることに成功した。 光回復酵素の性質を調べたところ、安定性が高く高温まで活性がある他、他の生物種との比較から、高度好熱菌の光回復酵素は第3のグループである可能性が示唆された。 RecAは変性剤が無い状態では多量体を形成しているが、低濃度の変性剤が存在すると単量体になることがゲル濾過によって明らかになった。円2色性スペクトル測定より、この単量体形成にはN末端部のαヘリックスの部分的変性が関与していることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)