マラリア原虫新型変異株のCS遺伝子変異に関する研究
Project/Area Number |
09270210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川本 文彦 名古屋大学, 医学部, 講師 (40115556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 政継 大阪市立大学, 医学部, 助手 (60195378)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 熱帯熱マラリア原虫 / 遺伝子変異 / 表面抗原遺伝子 / CS抗原遺伝子 / ベトナム / SERA遺伝子 / 疫学調査 / 地理的分布 |
Research Abstract |
(1)CS抗原遺伝子のT cellエピトープ領域の変異 ベトナム・インドネシアから得た熱帯熱マラリア野生分離株29株を用いて、CS抗原遺伝子のTh2RとTh3Rの二つT cellエピトープを含むC末端領域の変異を調査した。ベトナムからは、種々の点突然変異を示す13株が見いだされた。すべてTh2RとTh3Rに限定した非同義語置換変異であり、いずれもこれまでに報告されていない新型アレルであった。 (2)SERA遺伝子の多型と地理的分布 世界各地から採集した熱帯熱マラリア原虫の68野生分離株を用いてSERA遺伝子ExonIIの遺伝子多型を調査した。SERA遺伝子多型は、ExonIIの後半部塩基配列により、HB3型、K1型、T9-96型の3つに大別されているが、68株の解析によりHB3型では2つの変異型、K1型では12の変異型が見出された。T9-96型はすべて変異型であり、他の二つに比べて分布は少ないものと考えられた。 地理的な分布では、(1)東南アジア諸国(ベトナム、タイ、インドネシア、ミヤンマー)から得た32株では、K1型が18例、HB3型が9例見いだされた他、T9-96型の変異型がベトナムから5例検出された。(2)ソロモン諸島の5株はHB3型が4例、がT9-102型1例であった。(3)タンザニア、ナイジエリア、ガボン、ギニアビサウから得られた20株では、T9-96型の変異型2株の他、すべてK1/Camp型の変異型であった。(4)ブラジルから得られた11株はすべてSerine repeat数が最も多く(54個)、同一のHB3型の変異型であった。K1型およびその変異型は旧世界の各流行地に広く分布し、HB3型とその変異型は東南アジア諸国とソロモン初等に局在的に分布していることが示された。一方、新世界であるブラジルのロンドニアには特有な安定したHB3型の変異型が分布していると思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)