トリオキサンとクロロキン骨格を同一分子内に持つ抗マラリア剤の開発
Project/Area Number |
09270212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野島 正朋 大阪大学, 工学部, 教授 (80029181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益山 新樹 大阪大学, 工学部, 助教授 (30157218)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 抗マラリア特性 / 環状過酸化物 / 1,2,4-トリオキサン / 1,2,4,5-テトロキセパン / 1,2,4,5,7-ペントキソカン / 不飽和ヒドロペルオキシアセタール / オゾン酸化 / ペルオキシラジカル |
Research Abstract |
我々は最終目的として、変換容易な官能基をもつ双環過酸化物の安全かつ効率的な合成法を確立するとともに、例えばクロロキンとの接合による新しいタイプの抗マラリア剤を開発することを考えいる。本年度はそこに至る基礎的データの集積を試み、以下のような成果を得た。 (1)過酸化物の新規合成法の開発 環状過酸化物骨格をもつ合成抗マラリア剤開発の最大の問題は、合成の際の爆発性等の危険が危惧されるターゲット分子を、いかに安全かつ効率的に合成するかということにある。本年度、我々は不飽和ヒドロペルオキシアセタールの環化について、様々な環化条件を検討し、この環化が極めて安全かつ効率よく進行することを見いだした。特に求電子試薬をメディエーターとする環化と、ペルオキシラジカルを経由するラジカル環化を使い分けることにより、環骨格の制御が可能であることを明らかにした。また不飽和ヒドロペルオキシアセタールのエポキシ化とそれに続く環化も、トリオキサンあるいはトリオキセパン合成の別法として、有効であることを見いだしている。最後に、この基質をオゾン酸化することにより、環が直接ヒドロキシル基で置換したトリオキサンの合成にも成功した。 (2)抗マラリア特性の評価 これら合成した過酸化物について、どの環骨格が有望かを群馬大学医学部鈴木教授ならびに岡山大学薬学研究科綿谷教授との共同研究で明らかにした。特に有望とされたのは、1,2,4-トリオキソラン、1,2,4,5-テトロキセパン、また1,2,4,5,7-ペントキソカンである。これら一連の化合物は、10^<-6>-10^<-7>Mの濃度でマラリア原虫に効果的に作用するとともに、その選択毒性は10倍から100倍と極めて高い。しかも置換基構造のわずかな違いで、その抗マラリア特性が大きく変化することも見いだした。このことは、今後最適な標的物質を開発する上で、重要な指針を与えるものとなっている。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)