カリウムイオン可視化によるカリウムチャネル機能評価とその応用
Project/Area Number |
09273239
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀尾 嘉幸 大阪大学, 医学部, 助教授 (30181530)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | カリウム / 内向き整流カリウムチャネル / グリア細胞 / クラスタリング / ラミニン / ミュラー細胞 / 網膜 / spatial buffering |
Research Abstract |
内向き整流カリウムチャネルファミリーは細胞静止膜電位の形成と安定化、維持あるいは、カリウムの輸送をおこなっているとされている。このなかで申請者らのグループによってクローン化されたKir4.1/KAB-2は脳グリア細胞に発現していることがin situ hybridizationによって明らかとなった。そこでこのKir4.1の分布と機能を調べるために網膜の主要なグリア細胞であるミュラー細胞をもちいてさらに検討した。Kir4.1mRNAはミュラー細胞に発現していた。さらに、Kir4.1抗体を使うことによってチャネル蛋白質自体もミュラー細胞膜上に広く分布していること、Kir4.1は膜上ではパッチ状に集積(クラスタリング)して存在していることが判明した。このクラスタリングの機構を生化学的、細胞生物学的に検討したところ、網膜ミュラー細胞ではSAP97という3つのPDZドメイン、SH3領域、グアニル酸キナーゼ領域をその構造内に持っている細胞内蛋白質がKir4.1のC末端にあるSer-Asn-Valという配列に結合することによってKir4.1-SAP97のコンプレックスができ、さらにSAP97が互いに凝集することによって起きていることがHEK293T細胞を使った再構成実験によってわかった。また、ミュラー細胞のKir4.1の発現はミュラー細胞を培養化することによって消失すること、培養液にインスリンを添加しておくとKir4.1mRNAの発現がおこるが、Kir4.1は細胞質にとどまって膜上に発現しないこと、インスリン存在下にラミニンを作用させると機能を持ったKir4.1の膜上での発現がみられ、この際、Kir4.1は膜上でクラスタリングしていることを見い出した。即ち、ラミニンはKir4.1の細胞質から膜上へのトランスロケーションに働いていることが強く示唆された。Kir4.1の機能は神経細胞が興奮した際に細胞外に放出するK+を吸収し、さらにそのK+を別の部位へ放出するsaptial bufferingをおこなっているものと考えられた。この機能をカリウム蛍光試薬を用いて現在検討している。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)