神経細胞の形態変化のプロテインキナーゼによる制御:可塑性のモデル
Project/Area Number |
09273243
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山内 卓 徳島大学, 薬学部, 教授 (90041813)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | Ca^<2+> / カルモデュリン / プロテインキナーゼ / タンパク質リン酸化阻害剤 / 培養神経細胞 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
細胞の形態や運動性の変化は細胞骨格構造のダイナミックな変化により引き起こされ、Ca^<2+>はこれらの過程に重要な役割を果たしている。本研究では、Ca^<2+>/カルモデュリン依存性プロテインキナーゼII(キナーゼII)cDNAを導入した細胞を用いて、神経突起形成や突起の運動性の変化のプロテインキナーゼの相互作用を調べ、以下の結果を得た。(1)過剰発現細胞のCaM kinase IIはラット大脳の酵素と同じ酵素学的性質を示し、αは主に細胞質画分に、βは主に顆粒画分に存在した。(2)過剰発現細胞では、αとβいずれの細胞でも神経突起伸長が促進され、CaM kinase IIが突起伸長に関与すると考えられた。β細胞はα細胞に比べて大きな形態変化を起こし、αとβでは突起伸展能に違いが認められた。(3)CaM kinase IIの過剰発現による突起伸長の促進は、プロテインキナーゼの阻害剤であるH-7により増強された。H-7による突起伸展の増強効果はα細胞よりβ細胞に対する方が大きく現れた。この促進効果は継代後比較的早く現れることから,CaM kinase IIが突起伸展の初期変化に関与すると考えられた。(4)H-7と同様の突起促進効果は、プロテインキナーゼC(PKC)の特異的阻害剤のchelerythrineでも認められたが、cAMP-やcGMP-依存性プロテインキナーゼ阻害剤のH-89では観察されなかった。このことから、H-7の効果はPKCの阻害によるものと考えられた。PKCは細胞の増殖に関与することから、CaM kinase IIとPKC活性が神経細胞の分化と増殖の方向の決定に関与することが示唆される。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)