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¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
放線菌Streptomyces属の一菌株より単離したRK-682(3-hexadecanoyl-5-hydroxymethyltetronic acid)は,デュアルスペシフィティーホスファターゼであるVHRに対して強力な阻害を示す。本物質を化学的に改変して,より特異性が高く阻害活性の強いものを開発すること,およびVHR阻害機構を解明することを目的として実験を行った。 実験法:RK-682のテトロン酸部分を残して側鎖を化学修飾した類縁体を多数合成した。 RK-682の脱リン酸化酵素活性は,合成基質であるパラニトロフェニルリン酸を用いて,リン酸基が外れたニトロフェニル基の呼吸波長の変化を測定した。 結果と考察:多数のRK-682類縁体を用いることにより,次のような構造相関活性が示唆された。 1)テトロン酸部分から伸びるアルキル側鎖は阻害活性に必須であり,アルキル基の長さによって阻害活性が変化する。 2)4位の水酸基は,メチル化すると阻害活性が消失することから重要である。 3)5位の水酸基は,メチル化誘導体も立体異性体も阻害活性に変化が無いことから,阻害活性発現には重要でないことが明らかになった。 次に,これらの構造活性相関の結果をもとにして,RK-682のVHR酵素の阻害機構について考察した。RK-682はVHRの脱リン酸化活性をIC_<50>=12.5μMの濃度で阻害した。同一条件下でarsenateも同様の濃度で阻害活性を示し,両者とも基質のパラニトロフェニルリン酸と拮抗阻害した。しかしその阻害パターンはarsenateがVHR一分子に一分子結合して阻害する場合(Ki=18μM)と異なり,RK-682はVHR酵素一分子につき二分子結合すると考えた場合(Ki=21μM)に良い相関係数が得られた。
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