Project/Area Number |
09274218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
末吉 邦 神戸大学, 農学部, 助手 (10216278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 敏男 神戸大学, 農学部, 助教授 (70240851)
王子 善清 神戸大学, 農学部, 教授 (90031195)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Keywords | 導管輸送 / 無機窒素 / 輸送制御 / 器管間コミュニケーション |
Research Abstract |
「目的」本研究では、硝酸イオンが導管内を輸送される過程でどのようにシグナルとしての機能を発現し、葉での硝酸同化系遺伝子の発現を制御しているのかを明らかにすることを目的とした。 「経過か」水耕栽培のオオムギ幼植物に硝酸塩を種々の濃度で与えたときの葉組織の硝酸イオン蓄積量、導管液および葉部アポプラスト液の硝酸イオン濃度および硝酸同化系遺伝子の転写産物量を経時的に測定した。また、切断葉に対しても同様な実験を行った。オオムギの根を中心柱と皮層に分け、それぞれから単離した全RNAより作成したcDNAを用いてcDNAサブトラクション法を行い中心柱特異的に発現していると期待される遺伝子をクローニングした。 「結果と考察」培地に硝酸塩を低濃度(μM)あるいは高濃度(mMレベル)で与えても、導管液中の硝酸イオン濃度は速やかに20-30mMに達した。その植物を無硝酸培地に移すと導管液の硝酸イオン濃度は急速に低下した。葉部アポプラスト液の硝酸イオン濃度は、導管液の硝酸イオン濃度の変化に連動して変動したが、その濃度範囲は1-10mMの間であった。一方、葉での硝酸還元酵素(NR)および亜硝酸還元酵素(NiR)遺伝子の発現量は高いレベルで維持されていた。これは導管液の硝酸イオン濃度レベルが高濃度で一定に保たれているという結果と合致する。一方、切断葉に低濃度(μMレベル)の硝酸イオンを与えた場合はNR、NiR遺伝子の転写産物量は検出できなかった。このことは、葉での硝酸同化系遺伝子の高い発現量を維持するため、導管における硝酸イオン濃度が数mM以上に保たれる必要があることを示す。中心柱全RNA由来のcDNAをtester、皮層全RNA由来のcDNAをdriverとしてサブトラクション法を行い、現在までに75クローンを得た。そのうちの5個については、ノーザン解析で中心柱特異的発現が確認できた。
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