Wnt依存性のカドヘリン転写を誘導するアルマジロ蛋白結合性転写制御因子の同定
Project/Area Number |
09275216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柳川 伸一 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (70183978)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | Wnt / シグナル伝達 / カドヘリン / アルマジロ蛋白質 / 発生 |
Research Abstract |
形態形成にかかわるシグナル分子Wnt/Wingless(Wg)の細胞内情報伝達には、Dfz2,Dsh,ZW-3,Arm,Dtcfなどの遺伝子が関与している事が遺伝学的解析により明らかにされている。我々はこのWnt/Wg経路の生化学的実体を解明するため、Wgに感受性を持つDrosophila翅原基由来培養細胞clonc-8を用いたWgアッセイ系を確立した。本研究においてはこの系を用いて、WgによるDrosoplila-E-Cadherin誘導機構の解析を行った。 βカテニン/Armはカドヘリン接着因子としての機能と転写因子TCF結合して核内へと移行し、そこでWnt/Wgの標的遺伝子の転写を制御する転写制御因子としての機能を持つ。Wnt/Wgシグナル伝達とカドヘリンによる細胞の接着とは拮抗的に働く。それは、βカテニン/ArmがWnt/Wgシグナル伝達を行う為には、βカテニン/Arm蛋白の細胞質内での蓄積が必須であるのに対し、カドヘリンはβカテニン/Armを細胞膜へとリクルートするからである。今回DE-CadherinがWgの標的遺伝子である事を発見した。Wg経路の活性化の方法としては、Wg処理の他、Clonc-8細胞内でのDshの強制発現などを用いたが、いずれの場合でもDE-CadherinのmRNA著しい上昇とそれに続くDE-Cadherin蛋白の蓄積が観察された。この事実はWgがその標的遺伝子であるDE-Cadherinの発現を上昇させることを通じてArmを細胞膜へとリクルートし、細胞質内のArm蛋白濃度を低下させ、その結果逆にWgシグナル伝達の阻止をもたらすという、Wgシグナル伝達の負のフィードバック制御機構の存在を示唆している。プロモーター/エンハンサー領域と考えられたDE-Cadherin蛋白コード領域の上流4.2Kbを用いたCATアッセイによってこの部分にWg感受性エレメントの存在が確認された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)