消化器官の分化・形態形成における遺伝子プログラムの展開
Project/Area Number |
09275222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
八杉 貞雄 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70011591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 公子 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40285094)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 消化器官 / 形態形成 / 細胞分化 / 上皮-間充織相互作用 / 転写因子 / 器官培養 / 成長因子 / ペプシノゲン |
Research Abstract |
本研究の目的は、ニワトリ胚消化器官の形態形成と文化における遺伝子カスケードを明らかにすることである。平成9年度には、以下の成果が得られた。 (1)消化器官を構成する内胚葉性上皮と中胚葉の相互作用に関して、中胚葉(間充織)の因子として骨形成蛋白質(BMP)の関与が示唆された。特にBMP-2は、ウイルスを用いて間充織細胞に感染・発現させると胃上皮の形態形成や機能的分化を著しく促進することから、これらの過程において重要な因子であることが明らかになった。 (2)上皮の領域化に関して、初期胚における転写因子の重要性が示された。特にホメオボックス遺伝子であるCdxAとHMGボックスをもつSox2は、それぞれ消化管の後方と前方を特徴づける遺伝子であることがその発現パターンから推定され、さらに、これらの遺伝子の発現が間充織によって制御されていることも実験発生学的に明らかにされた。 (3)胃酸の形態形成における細胞骨格蛋白質や形態形成因子、がん遺伝子産物の挙動が詳細に解析され、胃線形成がきわめて特異的な形態形成プロセスであることが示された。このことは、胃がんの発生などにも大きな示唆を与える。 (4)胃線細胞の分化マーカーであるペプシノゲン遺伝子の発現について、その調節にGATA5などの転写因子が関与している可能性が示された。またペプシノゲン遺伝子のの個体発生及び系統発生における発現様式が分子的に明らかにされた。 以上の研究は、消化器官の分化・形態形成における広範な遺伝子発現プログラムを解析する手がかりを与えるものである。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)