プラナリアの領域特異性を決定する遺伝子群の発現調節機構
Project/Area Number |
09275224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 憲二 姫路工業大学, 理学部, 教授 (00079691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
織井 秀文 姫路工業大学, 理学部, 助手 (70211836)
阿形 清和 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (70167831)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | プラナリア / 再生 / 位置情報 / 前後軸 / 咽頭形成 / 背腹軸 / 増殖因子 / BMP |
Research Abstract |
再生能力の強いプラナリアは摂食により体が成長し、飢餓によって体が萎縮するが、体のプロポーションは変わらない。プラナリアには位置情報を日常的に監視調整するシステムの存在が伺える。本研究は、位置価を乱すことにより生ずる領域特異的な遺伝子の発現の変化、および背腹軸決定に関わるプラナリアBMP遺伝子のクローニングと発現を調べた。 (1)プラナリアの頭部領域のくり抜き断片を咽頭後方の領域に移植すると、移植片の前後に、あらたに、咽頭が形成された。脳または胴尾部を特徴づけるマーカー遺伝子の発現を調べたところ、移植片を中心に虫体が向かい合った形に、組織が再編成されていた。前後軸に沿う移植は介在モデルに従う新組織形成を引き起こすと考えられた。咽頭後部領域を咽頭前部領域に移植しても、移植片の前後に咽頭が誘導され、同様に解釈された。 (2)プラナリアのくり抜き断片を背腹を逆転し移植すると、移植領域の背側および腹側に中空円筒状の構造が形成された。プラナリアの背腹の境(縁)を特徴づける中間径遺伝子(IF2)の発現を調べたところ、円筒構造の縁は、まさしく、縁であることが確かめられた。背と腹が縁構造を介さず直面すると、細胞増殖を誘起し、新たな縁構造を作ることがわかった。プラナリアを切断すると、縁構造を介さず背と腹が直面するので、切断後の再生機構の一部は背と腹の相互作用に基づくと考えられた。 (3)組織断片の代わりに、増殖因子(レチノイン酸、脊椎動物のFGF2、BMP-4)を染み込ませたビーズを用いて、形態形成異常が誘起できるか調べたが、効果がみられなかった。そこで、プラナリアの増殖因子BMPのクローニングを行った。プラナリアBMPは正常虫では背側正中で発現していた。正中を含まない縦切り断片は再生初期には、背側に広くBMPを発現していた。プラナリアBMPは背側を特徴づける遺伝子であると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)