神経系の発生と高次機能におけるRNA結合蛋白質の役割の解析
Project/Area Number |
09278201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡野 栄之 大阪大学, 医学部, 教授 (60160694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤本 和延 大阪大学, 医学部, 助手 (90282350)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | d-Musashi / m-Msi-1 / RNA結合性蛋白質 / subventricular zone / グリア前駆細胞 / 未分化幹細胞 / アストロサイト / オリゴデンドサイト |
Research Abstract |
遺伝子発現の転写後調節は、複雑な神経系の発生過程と可塑性等において重要な役割を果していることが予想される。mouse-Musashi-1(m-Msi-1)は哺乳類胎生期に豊富に存在する中枢神経系未分化幹細胞において強く発現しているRNA結合蛋白質であり、ショウジョウバエの相同分子(d-Musashi)との類似性により、哺乳類神経発生過程における細胞の運命決定、細胞系譜の形成を転写後レベルで制御している可能性が考えられている。一方、最近、マウス、ラット等の哺乳類においては成体においても、神経細胞およびグリア細胞を産生する能力を有する中枢神経系幹細胞が存在することが示された。そこで、本年度我々は生後および成体での未分化幹細胞におけるm-Msi-1の発現を、m-Msi-1抗体による免疫組織化学等により検討した。その結果、m-Msi-1は生後でも側脳室周辺のsubventricular zone(SVZ)の分裂能を有するグリア前駆細胞や、未分化幹細胞と考えられる細胞、およびアストロサイトにおいて発現が持続していた。一方、PDGFR或いはNG2陽性のO-2Aやオリゴデンドロサイトではm-Msi-1発現が消失していた。以上のような発現パターンやショウジョウバエ相同分子(d-Musashi)との類似性から、m-Msi-1蛋白質は胎生期のみならず成体においても神経発生過程における細胞の運命決定、細胞系譜の形成に、転写後レベルで関与している可能性が考えらる。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)