HIV転写に要求されるtRNA^<Lys3>の構造とその遺伝子発現制御分子としての応用
Project/Area Number |
09278223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
高久 洋 千葉工業大学, 工学部, 教授 (50101267)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | レトロウイルスプライマー / tRNA^<Lys3> / 変異tRNA^<Lys3> / vRNA / 逆転写酵素 / PBS配列 / cDNA |
Research Abstract |
レトロウイルスは遺伝子RNAを細胞内に取り込まれ、自らの逆転写酵素(RT)を使ってDNAに逆転写され、細胞の染色体に挿入される。この際にtRNA^<Lys3>がDNA合成のプライマーとして要求される。しかし、tRNA^<Lys3>の構造がどの様にcDNAの合成に影響を与えるかは明らかにされていないので、本研究では逆転写反応に要求されるtRNA3^<Lys>の構造、vRNAとtRNA^<Lys3>、あるいは核タンパク質(NCp7)との相互関係を解明する。さらにこの結果を基に変異tRNA^<Lys3>をデコイとして用い、エイズウイルスの増殖阻害を検討する。 はじめに、tRNA^<Lys3>のD-ループ、アンチコドン、T-ループ部位に変異を導入した変異tRNA^<Lys3>を構築するとともにNCp7の合成を遂行し成功した。 上記で構築したプライマーを用いてHIV-1のvRNA、PBS/U5に相当するvRNAテンプレート上、cDNAの合成を検討した。DNAプライマー(18mer)を用いた場合は、濃度依存的にcDNA合成効率が上昇した。一方、tRNA^<Lys3>をプライマーとして用いた際には、DNAプライマーと比較したところ、その転写効率は高いものであった。また、テンプレート側の影響を検討した。vRNAのU5部位のPBS、プライマー結合部分までの長さをもつテンプレートとさらに3'-側に延長した鎖長を有するvRNAテンプレートと比較したところ、PBS配列より3'-側に鎖長を延長したテンプレートを用いた際により効率が良いcDNA合成が確認されたことから、tRNA^<Lys3>はそのプライマーとしての機能を発揮するには、PBS部位に結合するばかりか、3'-側テンプレートとの相互作用も要求されることがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)