Project/Area Number |
09279208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大森 正之 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (80013580)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ラン藻 / トランスポゾン / 遺伝子 |
Research Abstract |
ラン藻類のある種のものは滑走運動をすることが知られている。滑走運動は基質と接点を保ちながら細胞の形状を変化させずに移動する運動である。単細胞性で、形質転換が非常に簡単に行えるラン藻のSynechocystisPCC6803では、すでに全ゲノムシーケンスの決定が完了している。その中には走化性に関与する遺伝子が存在している。このラン藻は本来運動性を持っているが、我々はSynechocystisの自然突然変異種の中に、運動性を欠くものをみいだし、この株のコロニーの形状が野生株と明確に異なっていることを確認した。そこで、Synechocystisを用い、コロニーの形の違いを指標にして、運動装置の遺伝子を分子生物学的に探索した。トランスポゾンを挿入したプラスミド(pRL1058)を大腸菌に導入し、ラン藻と大腸菌の接合伝達によりSynechocystisPCC6803のゲノム上へのランダムな挿入による遺伝子破壊を行い、その後、コロニー形成が行われる最適な濃度に調整した寒天平板上でのコロニーの形状の差異を指標として運動性欠損株(タイトコロニー形成株)を単離した。挿入したプラスミドの既知の配列をプローブとして、得られた運動性欠損株から運動に関与すると思われる遺伝子を回収し、その塩基配列を決定した。この遺伝子は光応答性に関係すると考えられている、フィトクロムに似た構造をもっていた。次に、単離した運動遺伝子を薬剤耐性遺伝子の挿入により破壊し、これを野生型SynechocystisPCC 6803のゲノムとの相同組み換えにより、運動遺伝子破壊株を作製した。この運動遺伝子破壊株の野生株との電子顕微鏡による形態比較、また画像解析装置を用いた一個体ごとの運動の経時的な解析を行った結果、形態的な変化は顕著では無く、運動性のみに変化が見られた。
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