Project/Area Number |
09279210
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田之倉 優 東京大学, 生物生産工学研究センター, 教授 (60136786)
|
Project Period (FY) |
1997
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
|
Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
|
Keywords | ncd / キネシン / CD / 円二色性 / coiled coil |
Research Abstract |
ncdはアミノ酸700個からなるキネシン様タンパク質である。C端領域モータードメインがあり、neck、tailと伸びている。キネシンは、逆にN端領域にモータードメインがある。いずれもATPを加水分解して微小管上を運動する。X線結晶構造解析から得られた、キネシンとncdのモータードメインの立体構造は非常によく似ているが、微小管上でキネシンはプラス端に、ncdはマイナス端に向かって移動する。モータードメインに続く領域は、7残基繰り返しに富み、一番目と4番目の位置に疎水性アミノ酸が存在するcoiled coilの配列に特徴的な性質が見られる。したがって、ncdのneck領域は二量体のcoiled coilを形成し、何らかの形態変化を起こすことで、運動性を決める可能性が示唆される。 本研究では、295-332領域周辺でcoiled coilである確率が高いneck,stalkの部分配列を持つ17-66までの30種類の様々な長さのペプチドを合成して、円二色性スペクトル(CD)を測定した。CDの値からヘリックス含量を求めて、ペプチドの構造と性質を解析した。その結果、CDを測定した比較的低濃度の条件(20℃、pH7.0、0.4mM程度)ではcoiled coilを形成しているペプチドは見いだせなかったが、lmMという高濃度でND01(296-352)がcoiled coilを形成した。また、電子顕微鏡測定条件と同じ5mM K-phosphate(pH7.0)でND24(295-340)にヘリックス性の向上が見られた。このことから、ncdのneckおよびtail領域のペプチドの性質としては、coiled coilを形成する能力は備えているが、ヘリックス性が低くcoiled coilも形成しにくい、と考えられる。したがって、motor,tailもしくは全長が二量化には必要ではないかと考えられる。生理的条件では、微小管近傍で局所的にncd濃度が高くなるので、分子どうしが相互作用して、neck領域がcoiled coilを形成し、二量化すると考えられる。
|