Project/Area Number |
09280216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐古田 三郎 大阪大学, 医学部・附属病院, 助教授 (00178625)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 家族性筋萎縮性側索硬化症 / 銅 / Thioredoxin / superoxide dismutase / 赤血球 |
Research Abstract |
常染色体優性遺伝を示す家族性筋萎縮性側索硬化症(fALS)患者のhemolysateより抗ヒトSuperoxide dismutase-1(SOD-1)ポリクローナル抗体を用いて得た免疫沈降物を、液体クロマトグラフィー/質量分析計(HPLC-ESI/MS)で解析することで、正常および変異SOD-1蛋白を識別した。その結果、変異SOD-1蛋白の存在を確認できる安定型(G37R,H46R等)と全く存在を確認できなかった不安定型(I149T,126L 2塩基欠失等)に分類された。次に、脆弱な変異SOD-1蛋白の特性を調べるために、患者赤血球中よりSOD-1蛋白の精製を試みた。CM-52セルロースでヘモグロビンを吸着させたサンプルをDE-52セロル-スに添加し、NaCl濃度勾配を用いて溶出させた。変異SOD-1蛋白からの銅遊離が細胞毒性の原因となるのではないかという仮説を検討するために上記の精製過程において各分画のSOD活性と蛋白濃度に加え銅イオン濃度の測定、HPLC-ESI/MSによる解析も行った。その結果、安定型のみならず不安定型においてもSOD活性とは無関係な異常な銅イオンの溶出を認めた。さらに、安定型においてはSOD蛋白以外の蛋白溶出が正常人と比べて増加している分画を見い出した。この分画を15%SDS-PAGEで検討したところ約12kDのバンドが増加していた。PVDF膜にブロット後アミノ酸シークエンスを行った結果、S-S結合還元作用を持つthioredoxin(Trx)と同定された。 以上の結果より、安定型と不安定型変異SOD-1患者の赤血球細胞質内において変異蛋白からの異常な銅の遊離が起こっていると推察されたが、この遊離銅が細胞毒性を示す経路は、Trxが増加している安定型と増加が認められない不安定型とでは異なっている可能性が示唆された。
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