遺伝子異常による神経細胞死および神経機能不全の発生機構の比較検討
Project/Area Number |
09280227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中尾 光善 熊本大学, 医学部, 助手 (00217663)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 神経細胞死 / 不死化 / 蛋白質分解 / E6AP / GABAレセプター / 神経線維腫症2型 / NF2 / カルパイン |
Research Abstract |
脳神経系における神経細胞の病的細胞死およびその反対側にある不死化(腫瘍化)については未知の部分が多い。今回、細胞内蛋白質分解機構に焦点を絞って、神経細胞死の発生機構との関連性について解析を行った。第一に、神経疾患であるプラダー・ビリ-症候群(PWS)とアンジェルマン症候群(AS)の遺伝的発症機構・病因遺伝子を明確にすることを目的とした。PWSは幼児期以降の過食と肥満・中等度の発達遅滞の症状を示し、食欲・睡眠・感情・行動制御の異常から視床下部の機能不全が特徴であり、一般の痴呆症と類似する。一方、ASは重度の発達遅滞・痙攣・失調様歩行を特徴とし、顕著な小脳萎縮から選択的な神経細胞死が考えられる。本年度、鳥取大学・押村光雄教授との共同研究で、RNAプロセシングに関わるSNRPNに加えてγ-アミノ酪酸レセプターサブユニットがPWS遺伝子であることを明らかにした。また、蛋白質分解機構の中で重要なユビキチンリガーゼE6APがAS遺伝子であることが明らかになった。第二に、神経線維腫症2型の病因遺伝子産物NF2は腫瘍抑制蛋白のひとつであり、その遺伝子変異で不死化した神経良性腫瘍を発生する。本蛋白がカルシウム依存性プロテアーゼ(カルパイン)で特異的に分解制御されること、NF2遺伝子に変異のない腫瘍でカルパインの過剰な活性化によるNF2蛋白質の不活性化があることを見出した。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)