黒質への興奮性入力の除去によるMPTPパーキンソニズムの抑制効果
Project/Area Number |
09280233
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
今井 壽正 順天堂大学, 医学部, 助教授 (10053175)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 黒質緻密部 / ドパミンニューロン / 興奮性毒素 / 脚橋被蓋核 / アセチルコリン / グルタミン酸 / パーキンソン病 / サル |
Research Abstract |
黒質ドパミンニューロンの選択的死には,これらのニューロンの活動を支配する興奮性入力の存在が不可欠であるという作業仮説を検証しようという企ての前段階として,脚橋被蓋核(Pedunculopontine tegmental nucleus,PPN)に注目した.PPNは,従来,上行性網様体賦活系の中核構造(アセチルコリンニューロン)として,さらに,大脳基底核の出力先のひとつとして注目されてきたが,最近,パーキンソン病の責任病巣である黒質緻密層のドパミンニューロンへのほとんど唯一の興奮性入力がPPNニューロンであることが見出された.グルタミン酸作動性のPPNニューロンの存在も確認された.そこでわれわれは,PPNの選択的破壊がどのような(運動)症状を発現するかを調べた.ニホンザルで,細胞外電極を用いてPPNニューロンを同定し,そこに一側性にカイニン酸を微量注入した.サルは注入部位と反対側の上下肢(上肢優位)の屈曲位と寡動すなわちヘミパーキンソニズムを呈した.症状は,2,3週後に軽快し,以後持続した.組織化学的に破壊部位を同定し,PPNアセチルコリンニューロンの脱落を確認した.黒質緻密部のドパミンニューロンは組織化学的によく保たれていた.従って,この実験系におけるサルのヘミパーキンソニズムは,PPNの破壊によりその興奮性入力が遮断された黒質線条体ドパミンニューロンが活動の減弱を来したため,と考えられる.PPNの運動系への制御に関するサルでの初めての実験データである.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)