Project/Area Number |
09280237
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
田中 光一 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病四部, 室長 (80171750)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | グルタミン酸 / トランスポーター / 神経細胞死 / ノックアウトマウス / 興奮毒性 |
Research Abstract |
グルタミン酸は中枢神経系において主要な興奮性神経伝達物質として知られているが、興奮毒性と言う概念で表せれるように、過剰なグルタミン酸は神経細胞障害作用をもつ。細胞外グルタミン酸濃度を制御する最も重要な機能分子はグルタミン酸トランスポーターである。本年度はグリア型グルタミン酸トランスポーター(GLT-1,GLAST)の神経細胞死における役割を解析するためGLT-1,GLAST欠損マウスを作成し、その表現型を解析した。GLT1欠損マウスは生後3週齢頃から致死性のてんかん発作を示し、生後12週齢頃までに80%が死亡してしまう。更に、生後7週齢まで生存した欠損マウスの脳を調べると、海馬CA1錐対細胞の選択的変性像が観察された。また、外傷のモデルとしてcold-injury(液体窒素で冷却した金属棒を大脳および小脳周辺の頭蓋骨にあてる)による浮腫巣の広がりを調べると、欠損マウスでは野生型に比べ大脳の浮腫巣の広がりが大きくなっていた。対照的にGLAST欠損マウスは、小脳登状線維のPurkinje細胞多重支配による軽度の協調運動障害(rotarod testの異常)以外、知覚・運動・行動に異常は見いだされなかった。しかし、coldーinjuryによる小脳の梗塞巣の広がりは、欠損マウスでは大きくなっていた。以上のことより、GLT-1は大脳において、GLASTは小脳においてグルタミン酸の興奮毒性から神経細胞を保護するのに重要な役割を果たしていることが明らかになった。従って、GLT-1,GLASTを活性化する薬物は新しい神経保護薬として有望である。
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