神経変性疾患モデル動物の作成と神経栄養因子による機能修復
Project/Area Number |
09280238
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
服部 成介 国立精神・神経センター, 神経研究所・診断研究部, 室長 (50143508)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 神経栄養因子 / 神経変性疾患 / Ras / Gaplm / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
神経変性疾患は神経系の特定の神経細胞集団が変性・脱落する結果誘起される疾患である。神経変性疾患の実験モデル動物の創出を目指して、マウス脳内における特定の領域で神経細胞の生存維持因子である神経栄養因子の細胞内シグナル伝達系を人為的に遮断することにより、神経細胞の変性を起こす系の作成を試みた。細胞内において低分子量GTP結合タンパク質Rasがほとんどすべての神経栄養因子のシグナル伝達を媒介することが知られているので、Rasの抑制性調節因子Gap1^mを過剰に発現することにより、シグナル伝達を遮断することとした。本年度は以下の研究成果を得た。 1.培養細胞を用いた実験からGapl^mの発現により、神経栄養因子(NGF)による神経突起誘導活性が抑制されることを示した。この際に細胞内においてRasシグナル伝達系が遮断されていることを確認した。 2.Rasはマウス個体発生に必須であることから、その抑制性調節因子Gapl^mの発現を人為的にコントロールし得る遺伝子発現系を構築し、実際に細胞内でその発現を可逆的に制御できることを確認した。 3.作成した遺伝子発現系をマウスに導入し、遺伝子発現系を保持する複数のクローンを選択した。また導入した遺伝子は次世代に伝達することを確認した。 今後得られたマウスを用いて、マウス個体内でRasシグナル伝達系を可逆的に制御し、神経栄養因子のシグナル伝達を遮断した際の効果について検討していく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)
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[Publications] Ichida,T.,Kuraishi,Y.,Sakai,O.Kurata,T.,Hattori,S.,Matsuda,.M.: "Enhancement of guanine-nucleotide exchange activity of C3G for Rapl by the expression of Crk,CrkL,and Grb2." J.Biol.Chem.272. 22215-22220 (1997)