神経障害時の低分子量分子シャペロンの応答と生理的意義
Project/Area Number |
09280240
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
加藤 兼房 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 部長 (50022801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 秀記 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 研究助手
稲熊 裕 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 研究員 (10250250)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | hsp27 / カイニン酸 / カルシウム結合蛋白質 / αクリスタリン / リン酸化 / ストレス / MAPキナーゼ / 細胞分裂 |
Research Abstract |
カイニン酸誘導痙攣発作ラットにおけるストレス蛋白質の応答を解析し、以下の結果を得た。 1)カイニン酸投与後48-96時間で極大値(1.5-2μg/mg protein)を示す30-50倍の顕著なhsp27の誘導が、海馬と内嗅皮質で観察された。また、mRNAレベルも顕著に増加していた。10日後でも数百ng/mg proteinの高いレベルであった。嗅球でも軽度のhsp27の誘導が認められたが、小脳では応答がなかった。2)2種類のカルシウム結合蛋白質、28-kDa calbindin-Dとparvalbumin、が小脳では海馬の10倍以上存在し、これが小脳への障害を防いでいることが示唆された。3)αBクリスタリンも数倍の濃度に上昇していたが、極大値でも50ng/mg protein以下の低濃度であった。一方hsp70も増加していたが、濃度は低くかった。hsc70のレベルは増加していなかった。4)hsp27抗体を用いた免疫組織化学では、海馬、視床、梨状葉皮質、内嗅皮質、脳梁のグリア細胞およびニューロンが強く染色された。正常対照ラットでは、海馬錐体細胞など神経細胞が染色され、グリア細胞はほとんど染色されなかった。以上の結果より、hsp27の顕著な発現誘導はカイニン酸誘導発作後に傷害された組織のグリア細胞で認められ、障害組織の修復に関与していることが推測された。 ヒトグリオーマ細胞U373 MGを用いてαBクリスタリンのリン酸化について解析し、以下の結果を得た。1)αBクリスタリンもhsp27と同様、種々のストレスによって、最高三カ所のセリン残基がリン酸化され、その位置はSer19,Ser45とSer59である。2)αBクリスタリンはp38とp44/42 MAPキナーゼカスケードが関与する酵素によってリン酸化される。3)特異抗体を使った解析で、細胞分裂期にはSer45とSer19のリン酸化が特異的・普遍的に高進していることを発見した。
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)