Project/Area Number |
09281209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
森田 育男 東京医科歯科大学, 歯学研究科, 助教授 (60100129)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 血管新生 / 動脈硬化 / VEGF / Kdr / エイコサペンタエン酸 |
Research Abstract |
血管新生は固形腫瘍の増殖ばかりでなく、関節リュウマチに代表されるような慢性炎症や動脈硬化病変部にも普遍的に認められる生体反応である。n-3系列の高度不飽和脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)に上記疾患を抑制することが示され、EPAが直接血管新生を抑制する可能性が示唆されている。そこで、本年度はEPAによる血管新生抑制およびその機序の解明を行った。その結果、高度不飽和脂肪酸の中でアラキドン酸は血管新生に促進的に働いたが、EPAは有意な抑制効果を示した。そこで増殖に対するEPAの効果を調べたところ、2次元培養下よりも3次元培養下でその抑制効果が顕著なことを見いだした。そこで、3次元培養下で特に増殖促進効果が認められる因子を検索したところ、VEGFにその傾向が強いことが明らかとなったので、VEGFに対するEPAの影響を調べた。その結果、EPAの増殖抑制作用およびMAPキナーゼの活性化抑制作用はVEGFに特異的であることが明らかとなった。以上の結果より情報伝達系としてMAPキナーゼの上流の検索を行い、VEGF受容体がEPA処理によって変動すること、すなわちEPA処理により増殖に直接関係するKdr/Flk-1受容体の減少、ドミナントネガティブとして働きうるFlt-1受容体の増加が認められた。次にEPA処理による血管新生抑制がEPAの直接効果であるかを調べたところ、炭素鎖延長酵素によってEPAから産生されたドコサペンタエン酸(22:5,n-3)によることが明らかとなった。以上の結果より、EPAによる固形腫瘍増殖抑制効果、抗炎症作用、抗動脈硬化作用の一部にはEPAの血管新生抑制作用が関係していること、その機序としてはVEGF受容体の変動が関係していることが明らかとなった。
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