血管内皮細胞機能制御の情報伝達機構とその脂質による修飾
Project/Area Number |
09281222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
横山 光宏 神戸大学, 医学部, 教授 (40135794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 隆弘 神戸大学, 医学部, 助手 (20263379)
川嶋 成乃亮 神戸大学, 医学部・付属病院, 講師 (10177678)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 内皮細胞 / リゾホスファチジルコリン / 増殖 / 遊走 / 活性酸素 |
Research Abstract |
動脈硬化の発症進展に関係する変性脂質であるリゾホスファチジルコリン(LPC)は内皮細胞の障害因子として種々の作用を有する。LPCの内皮機能障害の作用を更に明かにするため、LPCが、障害因子である活性酸素(O_2)の内皮細胞での産生に及ぼす影響、並びに内皮細胞の増殖、遊走に及ぼす影響を検討し、以下の結果を得た。 1.ウシ大動脈内皮細胞(BAEC)において、NADH、NADPH投与によりBAECの膜分画におけるO_2産生活性が増加した。種々の活性酸素産生酵素の阻害薬を用いた検討により、この内皮細胞ではO_2の産生はNADH/NADPH oxidaseの活性化に依存することが判明した。また、LPC(10μg/ml)によりBAECからのO_2産生は増加し、その増加はNADH/NADPH oxidase阻害薬によって抑制された。 2.bFGFにより濃度依存性にBAECでERK1/2が活性化された。一方、bFGFによりBAECの増殖並びに遊走が出現し、これらはMEK 阻害薬PD98059ににより抑制された。また、LPCはERK1/2の活性化をPKC非依存性に抑制することにより、bFGFによる内皮細胞の増殖、遊走を抑制することが明らかになった。またLPCは、bFGF受容体の自己リン酸化にも影響を与えなかった。 以上より、LPCは細胞障害因子を産生すると共に、障害が受けた内皮細胞の再生機転を阻害することにより、動脈硬化を始めとした血管病変の発症、進展に関与しているものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)