血管平滑筋細胞の増殖促進因子Gas6の作用機構の解析
Project/Area Number |
09281228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
水野 健作 九州大学, 理学部, 助教授 (70128396)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 血管平滑筋 / 増殖因子 / 受容体型チロシンキナーゼ / Gas6 |
Research Abstract |
Gas6(growth arrest-specific gene 6)は、抗血液凝固因子プロテインSに類似した構造をもち、3種の受容体型チロシンキナーゼAxl,Sky,Merの共通のリガンドとして機能する。Gas6は、トロンビンやリゾフォスファチジル酸によるラット血管平滑筋細胞の増殖を促進するgrowth potentiating factor活性をもつ。本研究では、Gas6による血管平滑筋増殖促進作用の分子機構を明らかにするとともに、動脈硬化の成因の一つと考えられる血管平滑筋細胞の過増殖に対する拮抗阻害剤の開発を目指して、Gas6の有効なアンタゴニストを探索し、受容体との結合特性を明らかにすることを目的とした。 そのため、Gas6の各構成ドメインを欠失した変異体を作製し、受容体への結合活性、細胞増殖促進活性について検討した。また、Warfarin存在下で培養することにより、Gla化されていないGas6変異体を発現させた。その結果、C末端部のSHBGドメインのみからなる変異体が受容体結合活性、増殖促進活性いずれにおいても野性型と同等の活性を示すことが明らかとなり、Gas6の受容体結合活性、増殖促進活性に必要十分であることが明らかとなった。また、N末端部GlaドメインはGla化されていることが活性発現に必須であることを明らかにし、Glaドメインが分子内アロステリック活性調節部位として機能していることが示唆された。また、Axl-FcがGas6の受容体結合に対する拮抗阻害剤として働くことを見い出したので、細胞培養系ならびに動物モデルを用いてGas6アンタゴニストとしての効果について今後検討する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)