血管内皮細胞障害部位のin vivoでの検出と障害修復への新たなアプローチ
Project/Area Number |
09281234
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
池田 康夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00110883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 満 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50174305)
半田 誠 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40129614)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 血管 / 内皮細胞 / フォンビルブランド因子 / 血小板 / 糖蛋白Ib / IX結合体 / リポソーム / DDS / 体外診断 |
Research Abstract |
本研究は動脈硬化および内皮細胞傷害の臨床的診断を目指し、内皮細胞傷害部位に特異的に集積する物質の開発を目的としている。傷害部位に集積するこれらの物質は同時にdrug delivery system(DDS)としても応用される可能性があり、標識物質による体外診断のみならず、病巣部位への血管修復物質、血管拡張薬、さらに将来的には動脈硬化や傷害内皮細胞の遺伝子治療に応用される可能性を秘めている。傷害血管に特異的かつ効率よく集積するためには内皮下組織を認識する分子を利用することが理想的である。既に我々は血小板膜蛋白で内皮下組織のフォンビルブランド因子(vWF)に対する受容体であるGPIb/IXの組換え体をCHO細胞で発現することに成功し、発現された蛋白は血小板上の受容体蛋白と同等の機能を持つことを報告した。これを用いて平成9年度は機能的によく優れた組換えGPIb/IXを得るためにいくつかの変異型蛋白を作成し、数種類のGPIb/IXをそのリガンドであるvWFとリストセチン、ボトロセチンなどの結合誘発物質を用いて試験管内で結合させ、変異型GPIb/IXの結合能を検討した。その結果、alpha subninitの239番のアミノ酸置換(M239V)を有する組み換え体は、その機能が正常型よりも強い活性を有することが明かとなった。またリポゾームへの組換え蛋白の導入時の至適条件と導入効率についても検討した。次に組換えGPIb/IXが導入されたリポゾームの機能評価としてin vitroで固相化vWFへの粘着反応、および散乱光凝集メーターを用いた微小凝集塊の検出を試みた。その結果、このリポゾームはvWF固相化surfaceに特異的に結合することが判明し、本リポゾームの生体内での使用に期待がもたれた。今後、別のin vitroの評価法として、水晶振動子を用いた粘着測定装置を用いて流動状態下でごく微量のリポゾーム粘着を経時的に観察するとともに、in vivoでマウスにこのリポゾームを注入し、この際の障害血管部位への集積性を検討する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)