Project/Area Number |
09440247
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
物質変換
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥11,000,000 (Direct Cost: ¥11,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 1997: ¥7,800,000 (Direct Cost: ¥7,800,000)
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Keywords | Metalladithiolene / Free radical substitution / Azobis(isobutyronitrile) / Dibenzoyl peroxide / N-Halosuccinimide / Benzoylthio-substitution / Arylthio-substitution / ジベンゾチアゾリルジスルフィド / メタラジチオレン / ラジカル置換 / アゾビスイソブチロニトリル / 過酸化ベンゾイル / N-ハロスクシンイミド / アリールチオ置換 / メタラジチオン / ベンゾイルチオラジカル / トリフェニルメチルラジカル |
Research Abstract |
擬芳香族性共役金属キレート環(主としてメタラジチオレン環)の芳香族性の特質をラジカル反応によって検討した。今年度は、硫黄などのへテロ原子上に固定されたラジカル種の反応を中心に研究した。 (1) (a)チオ安息香酸とラジカル発生剤との反応でベンゾイルチオラジカルを発生させ、コバルタジチイオレンと反応させたところ、ジチオレン環にベンゾイルチオ置換を起こすことができた。ラジカル発生剤として、PAT (フェニルアゾトリフェニルメタン)を用いると効率良く置換が起こる。(b)無置換のコバルタジチオレンでは、ベンゾイルチオ置換のほかに、トリフェニルメチル置換が起こった。(c)この異常な反応から、コバルタジチオレン環のラジカル置換反応は、活性なフェニルラジカルと不活性なトリフェニルメチルラジカルの絶妙な協同作業によって進行していることが推定された。 (2) ジスルフィドのホモリシスでラジカルを発生させて、コバルタジチオレンと反応させた。(a)熱反応では、ジベンゾチアゾリルジスルフィドを用いた場合い、最も反応効率良く置換反応を起こすことができた。(b)側鎖にメチル基を持つコバルタジチオレン環では、環における置換と、側鎖における置換が並行して起こった。このことは、ラジカル置換の本質を示すものとして注目される。(c)光反応および放射線(ガンマ線)反応によっても硫黄ラジカルによる置換が起こる。一般に、光反応効率がよい。一般のジスルフィドの光反応は、励起一重項状態から起こるのに、ジベンゾイルジスルフィドは励起三重項から反応が起こる。 (3) 過酸化ジベンゾイルとの反応では、ベンゾイルオキシ置換が起こるが、これは、ラジカル反応ではなく、イオン機構による反応であることが結論された。
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