Budget Amount *help |
¥14,200,000 (Direct Cost: ¥14,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1997: ¥12,900,000 (Direct Cost: ¥12,900,000)
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Research Abstract |
近年,水素吸蔵合金の重要性が非常に高まり,新規合金の開発・研究と並んで既存の水素吸蔵合金の使用寿命を長くすることが切望されている。本研究は水素吸蔵合金の劣化の原因を解明し高寿命化を図ることを目的として,合金設計と組織制御の立場から研究を行った。水素吸蔵合金の寿命は、不均化反応の起こり易さと密接に関係する。また、不均化反応の起こる温度直下で水素吸蔵によるアモルファス化が起こる。従って、水素誘起アモルファス化の起こる条件を明確化すれば、水素吸蔵寿命を長くする指針が得られると考えられる。そこで、研究の前半では水素誘起アモルファス化の起こる条件を調べた。寸法因子化合物であるラーベス相では原子半径比が理想値に近いほど、アモルファス化は起こり難く、また水素吸蔵寿命が長くなることが明らかになった。他の結晶構造の合金では、融点が高いほど、アモルファス化が起こりにくく、寿命も長くなる傾向が認められた。ついで、Hf基金属間化合物の水素吸蔵特性を測定・評価した。HfとMからなる金属間化合物のうち,水素を吸蔵すると予想されるHfM_2, HfMおよびHf_2Mに着目した。NiHf_2, CoHf_2, FeHf_2, Cr_2Hf, PdHfおよびPdHf_2は固溶体を形成して水素を吸蔵した。HfNiとHfCoの最大水素吸蔵量はそれぞれ,約1.6(H/M)と約1.5(H/M)と多く,1.5wt%にも達することが分かった。他方,Cr_2Hf等は固溶体状態で約0.9(H/M)の水素を吸蔵した。l0O回の水素吸蔵・放出サイクル後,走査電顕(SEM)により試料の形態を観察し、水素化物を形成するHfNiやHfCoは固溶体を形成するCr_2HfやHfV_2に比べて著しく微粉化することが分かった。最後に実用合金である、LaNi_5とLaNi_<4.7>Al_<0.3>合金について、磁気性質やX線回折の立場から水素吸蔵寿命について検討した。
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