動物実験系及び培養細胞系を用いた牛乳ムチンの生理機能評価
Project/Area Number |
09460121
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Zootechnical science/Grassland science
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
金丸 義敬 岐阜大学, 農学部, 教授 (50111795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海老名 卓三郎 宮城県がんセンター研究所, 部長
長岡 利 岐阜大学, 農学部, 助教授 (50202221)
源 宣之 岐阜大学, 農学部, 教授 (10144007)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥13,900,000 (Direct Cost: ¥13,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1997: ¥12,100,000 (Direct Cost: ¥12,100,000)
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Keywords | 牛乳 / ミルクムチン / 糖タンパク質 / ウイルス中和活性 / コレステロール低下作用 / 抗がん作用 / 成長促進作用 / 培養細胞 / ウィルス中和活性 / コレステロール |
Research Abstract |
ミルクムチンは乳に含まれるムチン型糖鎖を結合した巨大なタンパク質複合体を指すが、我々は牛乳ムチンの生理機能を実験動物と培養細胞を用いて評価することを目的として本研究を行い、次のような結果を得た。 (1)牛乳ムチンの調製とそのタンパク質化学的性質-Sepharose CL-6Bゲルろ過でのvoid容画分(F1)として、膜を通して分画・濃縮した乳清タンパク質濃縮物から牛乳ムチン調製を可能とした。F1には150〜180kDaのPAS-I、120kDaの120K、80kDaの80K、それに数千kDa以上と推定されるHMGPが主要成分として存在し、他に約50kDa以下の分子量を持つ複数の微量成分も含まれている事がSDS-PAGEから明らかにされた。これらはいずれも天然状態では巨大な会合体を形成して、F1として牛乳から分画回収されるが、SDS含有緩衝液系でのゲルろ過によって各成分を個別回収可能であることが示された。(2)抗ウイルス作用-F1の強力なヒトロタウィルス感染阻害作用には複数の成分が関与しており、特に分子量が5万以下の微量タンパク質成分が極めて強力な阻害活性を示すことが明らかとなった。マウスを用いた動物実験でF1に下痢症予防効果はほとんど認められなかった。(3)抗がん作用-マウスの二重移植腫瘍系において、F1を直接投与した原発腫瘍部位は全てのマウスでほぼ完全に消失した。また、遠隔腫瘍部位にも顕著な退縮が認められ、一部のマウスでほぼ完全な消失が見られた。現在F1中の作用物質を特定するとともに、経口投与による影響の評価を計画している(4)コレステロール低下作用-牛乳ムチン(F1)共存下であらかじめミセル形成を行ってから培地に加えると、カゼインペプチドやオボムチン、あるいは大豆ペプチドの場合に比べ、腸由来培養細胞であるCaco-2細胞によるコレステロール吸収に極めて強力な抑制が認められた。現在F1給餌による血中コレステロール値の低下作用について検討中である。(5)成長調節作用-IEC6細胞の増殖に及ぼす牛乳ムチン(F1)の影響を評価したところ、一部のF1分画物に明らかな増殖促進作用が認められた。現在F1給餌による成長促進作用について動物実験を計画中である。
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)