Project/Area Number |
09610002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Philosophy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北川 東子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (40177829)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 翻訳 / 解釈学 / ジェンダー / 身体文化論 / 異質性の知覚 / 空間意識 / 主体概念 |
Research Abstract |
本研究「解釈学的伝統において「翻訳論」が果たした哲学的役割にかんする研究」は、二年間にわたり、主として1)シュライエルマッハーの翻訳論と2)異質性の問題とフェミニズムという、ふたつの主題を取り上げて研究した。 1)論文「シュライエルマッハーの翻訳論」により、以下の点が新たに確認できた。いわゆる「他者問題」は現代では現象学的ないし存在論的な観点からしか論じられない。しかし、「他者」とはとりもなおさず「他者として解釈された存在」のことであり、その意味で、解釈学の問題領域にも属する。ドイツ解釈学の伝統を考えると、「他者問題」ないし「異質性の問題」は、とりわけ翻訳の問題としてすでに18世紀終わりから19世紀はじめにかけて論じられていた。シュライエルマッハーの翻訳論(『翻訳のさまざまな方法について』1813年)は、解釈学における「他者問題」の萌芽的なありようを見るのにきわめて重要な理論である。2)翻訳という問題は、単に複数言語間の翻訳という観点からのみ考えられるべき問題ではなく、異なる文化的な伝統の間で行われる翻訳という問題もはらんでいる。そのため、本研究では、フェミニズムと異質性の問題という枠組みで、現在のフェミニズム理論における「越境」概念の意味について考えた。ドイツ日本研究所におけるワークショップ「女性と空間」において発表し、ドイツの若手日本学研究者たちとの活発な議論のもとに、「女性」と空間イメージとの関わりという、新たな研究の方向性が確認された。さらに、大阪大学文学部主催の臨床哲学シンポジウムにおいて、「孤立コンプレックス」というタイトルで、現代のフェミニズム議論における「身体文化論」を概観し、「空間性と触覚」という女性文化論的な枠組みの意味について発表した。 なお、これらの研究の成果はいずれも科学研究費研究成果報告書「異質性と翻訳の問題」に論文というかたちで収められている。
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