Project/Area Number |
09620065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Politics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平島 健司 東京大学, 社会科学研究所, 助教授 (40156659)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 財政政策 / 経路依存性 / 歴史的制度論 / 公的債務 / 現代国家 / 財政赤字 / 大蔵省 / 履歴依存性 / 国家 / グローバル化 / ドイツ |
Research Abstract |
80年代以降、先進国は、いずれも規制緩和や民営化を推進し、小さな政府の実現を図って財政赤字の削減などに努めている。このような動きを促進する要因としては、イギリスのサッチャリズムやアメリカのレーガノミクスというすぐれて政治的な次元の要因と、同じ時期に加速して進展した金融分野を初めとする市場のグローバル化が考えられる。日独の戦後国家は、アメリカによる占領から強い影響を受けて出発しながらも、英米国家とは異質の体制をとりつつ、常に高い経済的パフォーマンスと政治的安定を、70年代に至るまで維持した。しかし、それ以降、両国は、上記の二つの変化の中にあって国家と市場の関係や福祉国家のあり方をめぐって根本的な見直しを迫られている。アメリカとの比較の中において、また、常に両国に及ぼされたアメリカの影響に留意しながら、日独の国家が見せる変容の共通点と相違点を明らかにすることが目的であった。 いずれの国家も、公的部門と民間部門とをどのように結びつけ、社会全体の富をいかにして再配分してきたか、を国家財政の中に端的に反映させている。実際、財政こそは、過去の政策の来歴を最も強くとどめると同時に、その決定過程は、さまざまな政治課程の中でも、とりわけ強い政治的対立の刻印を受けている。したがって、財政政策において質的変化が見られるとすれば、それこそが、国家変容の局面を表していると考えることができよう。本研究は、歴史的制度論(historical institutionalism)の立場から、戦後日独の経済運営の推移をフォローし、大蔵省と与党が、財政政策をどのように運営してきたか、財政運営に対し、中央銀行や経済関係省庁など、財政政策と密接な連関にある他の政策を遂行する主体がどのような影響を及ぼしてきたのか、を比較分析した。具体的には、日本において著しく拡大し続ける財政赤字に着目し、財政赤字を結果した日本の特質、すなわち包括的権限を有する大蔵省、大蔵省と与党との関係、従属的な中央銀行、中央集権的財政制度など、共通の対外的文脈におかれながらも、異なる制度的発展が積み重ねられることによって、異なる政策が帰結した過程を、ドイツとの比較を行いながら明らかにしようとした。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)