誘導ブリュアン散乱によるコヒーレントマグノンの光学的励起
Project/Area Number |
09640446
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
高木 芳弘 姫路工業大学, 理学部・物質科学科, 教授 (80106161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 智 姫路工業大学, 理学部・物質科学科, 助手 (10221722)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | マグノン / コヒーレントフォノン / 誘導ブリュアン散乱 / パルスレーザー / 光誘起磁化 |
Research Abstract |
超短パルス光照射による磁性体中のコヒーレントマグノン生成のための観測手法を確立した。 研究結果の1:マグノン発生の起源であるコヒーレントフォノン(誘導ブリュアン散乱)の観測装置の製作と基本性能の評価。観測したいマグノンは磁気弾性効果や磁歪などを通して音響フォノンモードの一部として現れ、その振動数帯域は1MHz〜10GHzである。一方、発生するコヒーレントフォノンの強度は2本の励起光の入射角をほぼ平行にすることで高められる。このとき振動数はMHz帯域に下がるため、時間分解測定は必然的に計測器の応答範囲内で満足できる(第1法)。この場合、観測システムは光学遅延装置を要する高振動数帯域の場合(第2法)と異なる。第1法の観測システムを組み、種々の液体試料でコヒーレンド音響フォノンを検出した。実験結果から、励起光で発生する音響フォノンによる検出光の回折効率には、光吸収により形成される静的な熱回折格子が一種のヘテロダイン検波の役割を果たす寄与が大きいことを見出した。本装置の検出感度(最小回折効率)は10^<-4>で、マグノンの検出には更に3桁の改善を要する。一方、第2法は光路長の長い光学遅延装置を要するが、これを作成し、高繰返しパルスレーザーを用いることで感度が2桁改善された。 研究結果の2:マグノンをはじめ光パルス照射による磁化応答の磁気的検出法に関連した測定。 磁気検出法の試みでは、磁性半導体CdCr_2S4、CdCr_2S_4、HgCr_2SeSe_4の3種の試料で光パルス照射による高速応答する誘起磁化を検出した。特にキュリー点直上での常磁性〜強磁性の光誘起転移効果を後者の2つの物質で初めて見出した。用いた検出コイルの時間応答は高々1ナノ秒であり、マグノンの検出にはギガヘルツ帯以下で適用可能である。本研究期間中主に観測装置の感度向上に専念した結果、コヒーレントフォノンを介した磁性の動的過程の観測法の有用性が確認されたので、マグノン信号の検出に向けて研究を継続する。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)