Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Research Abstract |
近年,銅酸化物高温超伝導体やマンガン化合物などの種々の遷移金属化合物が,礎学科学的立場および応用の両面から広く注目されている.電子間の相互作用が強い物質について今まで知られていない新しい物質・材料の物理的性質や機能を知り,あるいはそれらを制御しようというとき,第一原理電子構造計算が大変に重要かつ有効な役割をはたす.通常の物質の電子構造理論に対しては密度汎関数理論,特にその局所密度近似が大きな役割を果たす.しかし,電子相関の強い物質に対する研究が進み,実験と理論との詳しい対比が進むにしたがい,密度汎関数理論の不充分さが認識されるようになってきた. このような背景の元に,密度汎関数理論の枠を超える新しい方法論が研究・提案されるようになった.それらは例えば,自己相互作用補正,LDA+U,GW近似,量子モンテカルロ法,あるいは動的平均場近似といったものである.我々の研究グループでは新しい第一原理電子状態計算法の開発を行なうとともにそれ等を用いて強い相関を持った系を対象に様々な新物質の物性を研究した. GW近似はDFTのような基底状態の変分原理に基づいているのではなく,多電子の動的遮閉効果を最低次の範囲で取り込む方法である.したがってバンドギャップが正しく得られるであろうと考えられるだけでなく,一般的に励起状態も取り扱うことができる. 本研究課題では,特に強相関電子系に対するGW近似と中心として,それに関する第一原理電子構造計算技術を中心として研究を進めた.具体的な我々の研究プロジェクトは以下のとおりである. 強い電子相関に関する方法論および物性の研究. (1)多チャンネルLMTO法(multiple-LMTOmethods)の開発 (2)LDA+U法の研究と強相関電子系への適用. (3)GW近似の定式化と計算プログラムのコード化.
|