Project/Area Number |
09640682
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
機能・物性・材料
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
青沼 秀児 東大, 物性研究所, 助手 (70231777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 礼三 東京大学, 物性研究所, 助教授 (80169531)
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Project Period (FY) |
1997 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 有機伝導体 / 分子性伝導体 / 有機πドナー / π-d相互作用 / シアノイミノ基 / キノン / 混合原子価銅錯体 / 伝導性 |
Research Abstract |
有機πアクセプター分子dicyanoquinone diimine(DCNQI)は、その銅塩が多様な物性を示している。この系の多様性は、主に、π電子と銅の3d電子との相互作用による。これら銅塩の結晶構造はいずれも同型で、その他のタイプの銅錯体については極めて例が少ない。今回、新しいπ-d相互作用系の探索をめざし、いくつかのDCNQI誘導体の合成を試みたので報告する。初年度は、以下のDCNQI誘導体の合成を行なった。 (1)嵩だかい置き換基を有する2,5-ジ置換DCNQI-2,5-R^1,R^2-DCNQIの銅塩では、DCNQI分子がつくる一次元カラムが、四面体配位の銅原子により3次元的にリンクされている。カラムの形成を立体的に阻害することで、従来とは異なる結晶構造をとることを期待して、エチル、t-ブチルなど嵩だかい置換基を有するDCNQI誘導体の合成を行なった。 (2)ortho-DCNQI-一般にo-キノンは、p-キノンよりも不安定ではあるが、より高いredox potentialを有する。従って、ο-DCNQIも十分に高いアクセプター性が期待できる。同時に、NCN基の配向がρ-DCNQIとは異なることから、新しいタイプの構造や物性の発現が期待できる。そこで、N,N′-dicyanoacenaphthenequinone diimineなどのいくつかのο-キノン誘導体を合成した。 (3)N,N′-Dicyano-2,6-naphthoquinone diimine-ナフタレンやアントラセンなどの多環芳香族化合物のDCNQI誘導体では、π系の拡張によるon-site Coulomb反発の減少が期待できる。そこで、2,6-naphthoquinone diimineのように、キノイド構造が多環芳香族分子の全体に広がったDCNQI誘導体の合成を試みた。ビフィニルのDCNQI誘導体の合成も検討した。
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