Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
希土類元素はその錯形成反応が類似しているため最も分離し難いイオンでありこの分離能を向上させることはすべての元素の選択性に特異性をもたらすことである。アザチアクラウンエーテル(1,4,10,13-テトラチア-7,16-ジアザシクロオクタデカン,ATCO);FATCO;1,4,7,18,21,24-ヘキサチア[7.7]フェロセノファン;1,7,18,24-テトラチア-4,21-ジオキサ[7.7]フェロセノファン及び1,4,7,10,21,24,27,30-オクタチア[10.10]フェロセノファンの合成を行い、それらの化学的性質を検討した。それらはハード性の希土類と特異的相互作用のあることを見いだした(増田・佐藤)。また、ATCOとラウリン酸を用いた希土類の溶媒抽出機構を解明し、軽希土と重希土の分離が可能なことも見いだした。更に、ジクロルエタン中の抽出錯体の安定度定数log K_<ML>を求めた{Sm(5.8)>Pr(5.7)>Eu(5.6)>Ce(5.3)>Gd(2.8)}。同時に協同抽出系の熱力学的データについても検討し、新しい興味ある結果を得た(増田)。抽出剤TFAと水溶性錯溶剤(Kryptfix22)の組み合わせによる希土類の抽出機構を解明した。Kryptfix22の抽出へのマスキング効果が示され、これによりこの錯体の水溶液中での安定度定数を求めることが可能になったのは新しい発見である(log K_<ML>aq:Gd(11.0)>Ho(10.8)>Yb(10.6)>Eu,Y(10.0).協同効果を防ぐために0.1M塩化ナトリウム水溶液と四塩化炭素溶媒の組み合わせを用いたことが有効であった(増田、稲葉)。カリックスアレン誘導体(p-tブチルカリックス[n]アレン(n=4,6,8,)を用い、スカンジウム(III)及びセリウム(IV)の錯体を合成し、それらの化学的性質を明らかにした。化学種の構造についてもMMR法を用いて解明することに成功した。次に、2,6-ジアンセチルピリジンのシッフ塩基希土類錯体の電極反応機構の解明及び非水溶媒(DMF)中での錯体の安定度定数を伝導度測定によって求めた。これらは機能の発現に寄与し、分離・分析と新材料への応用が期待できる。
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