脳スライス培養系における神経回路形成と内因性物質の神経毒性に関する研究
Project/Area Number |
09670641
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Neurology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桜井 正樹 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (30162340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 茂 広島大学, 医学部・総合薬学科, 教授 (60160503)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 共培養 / スライス培養 / 中脳 / 線条体 / ドパミン / パーキンソン病 / 皮質脊髄路 / 1-Bn-TIQ |
Research Abstract |
ラットの大脳皮質-線条体-中脳腹側部を無血清下に共培養し、それらの間に神経結合を形成することに成功した.抗チロジン水酸化酵素(TH)抗体を用いた免疫組織化学的方法により、培養中脳スライスには多数のTH陽性細胞が存在し、共培養した線条体へ突起を伸ばし、密な線維網をはりめぐらすことが観察された.一方、このDA細胞の突起伸張は線条体に対して特異的なもので、共培養の相手が小脳あるいは海馬などであると突起が進入していかず、in vivoにおける投射関係の特異性が保たれていることが示された。このあらたに開発された標本を用い、パーキンソン病の内因性原因物質候補の一つである1-Bn-TIQを培養液中に10、30、100μM添加すると、中脳、線条体のDA含量は用量かつ時間依存的に低下した.また、100μM、7日間投与で、培養開始後7日目に交換された培養液のLDH含量は対照に比し増大していたが、小脳、海馬、大脳皮質などの単独培養に対して1-Bn-TIQを投与した場合には変化が見られず、この物質の作用の特異性が示唆される。形態学的にもTH陽性細胞の萎縮、突起の減少などのapoptosisを示唆する変化が観察された. ラットの大脳皮質と橋・脊髄を上と同様の条件で共培養し、これらの間に神経結合を形成させた.皮質脊髄路は橋などの中間構造物がなくとも形成されうる.皮質刺激を行うと、脊髄からCa依存性のシナプス後電位が細胞外記録され、細胞内記録でEPSPが記録され、電気生理学的にも皮質脊髄間にシナプス結合があることが証明された.細胞内記録後に電極を通じてbioytinを注入すると、標識された細胞の約三分の一はmotoneuronとしての形態学的特徴を備えており、直接結合があることが示唆される.スライス培養を用い、皮質脊髄投射系をin vitroで再構築に成功したのは本研究が初めてである.
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Report
(3 results)
Research Products
(21 results)