Project/Area Number |
09671804
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Ophthalmology
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂本 泰二 九大, 医学部, 助手 (10235179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 光 九州大学, 医学部, 講師 (50260378)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 遺伝子治療 / TGF-b / 可溶性レセプター / 血管新生 / アデノウイルスベクター |
Research Abstract |
本年度は、治療に適した遺伝子導入法の開発ならびに機能的遺伝子導入による疾患モデルへの治療効果について検討した。レポーター遺伝子を持つアデノウイルスベクターAdCALacZを網膜下に注入すると、広範囲の網膜に遺伝子が導入されるがその主なものは網膜色素上皮であった。AdCALacZを硝子体に注入すると神経網膜に遺伝子が導入されるが導入効率が悪かったが、注入前に硝子体除去を行うと遺伝子導入効率は大幅に向上した。遺伝子導入効率を上げると網膜電位図により表される網膜機能は傷害されたが、この変化は可逆的なものであり炎症をシクロスポリンや副腎皮質ステロイドで抑制することで、網膜機能障害は軽減された。レポーター遺伝子を除いたアデノウイルスベクターAd1wを注入した際は、機能障害は軽かったので、アデノウイルスベクターによるものの他にLacZ遺伝子導入による障害も考えられた。このことは、網膜に遺伝子導入することで予想以上の網膜機能変化が起こることを意味しており、今後の遺伝子治療応用の際には慎重な検討が必要なことを示した。次に、トランスフォーミング成長因子(TGF-b)の可溶性レセプターの遺伝子を導入することによる眼病変の変化について検討した。これは、TGF-bの作用をこれがレセプターに接着する以前に捕捉してその活性を抑える方法である。TGF-bのレセプターのcDNAをもつアデノウイルスベクターAdTbFcを作成し、角膜血管新生を起こすマウスに投与したところ、角膜血管新生は抑制された。現在このメカニズムについて解析中であるが、この方法は角膜疾患の治療に新しい道を開くものといえる。
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