L-セレクチンを介したβ_2-インテグリンのシグナル伝達機構から捉える歯周病病態
Project/Area Number |
09671952
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Conservative dentistry
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
葛城 教子 岡山大学, 歯学部, 助手 (60284064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高柴 正悟 岡山大学, 歯学部, 助教授 (50226768)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | L-セレクチン / β_2-インテグリン / 早期発症型歯周炎 |
Research Abstract |
我々は以前に,β_2-インテグリン発現異常のある2名の早期発症型歯周炎(EOP)患者を発見した。この研究結果から,β_2-インテグリンは歯周病を規定しているマーカーとなりうることが示唆された。β_2-インテグリン遺伝子を歯周病の遺伝子診断のマーカーとして確立するためには,歯周病患者におけるβ_2-インテグリンのシグナル伝達機構を解析する必要がある。白血球の組織浸潤過程におけるrollingからstickingへの運動は,L-セレクチンを介してシグナルが伝達され,β_2-インテグリンが活性化されることによって誘導されることが分かっている。我々はまず,上記のEOP患者を含む歯周病患者由来のB細胞株を用いて,β_2-インテグリンの発現をL-セレクチンの発現機能との関わりにおいて調べた。 被験細胞として,13名の被験者(EOP患者9名および健常者4名)の末梢血から樹立したEBウィルストランスフォームB細胞株を用い,以下の結果を得た。 1.無刺激時のL-セレクチンの発現量は,被験細胞株間で差がなかった。β_2-インテグリン発現異常のあるEOP患者を含む4被験細胞では,PMA刺激によるL-セレクチンの発現減少の割合が,健常者を含む他の9被験細胞に比べて少なかった。 2.PMA刺激時の上記の4被験細胞では,B細胞培養上清のsoluble L-セレクチン量が健常者を含む他の9被験細胞に比べて少なかった。 以上の結果から4名のEOP患者由来のB細胞株は,他のEOP患者および健常者のそれらとはL-セレクチンの発現量に違いがあり,L-セレクチンの発現機序が異なっていると考えられる。本研究において,L-セレクチンを介したβ_2-インテグリンのシグナル伝達機構のなかで,L-セレクチンの発現機能が一般的でないEOP患者4名が存在することが分かったので,それらの病態を規定する遺伝子が分子生物学的に調べるなら,“歯周病関連遺伝子"の解明となる。
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Report
(1 results)
Research Products
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